第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
ちゅ…ちゅ…
唇で食んでいた唇を
音を立てて軽く吸われると
ゾクゾクとした痺れが
唇から広がるのを感じる
「んっ…、ん…っ、ふ…」
「…みくり、おはよう…」
そうキスをしながらも
義勇が言って来て
ペロ…と 義勇の舌が
みくりの唇の間を舐めて
ビクッと身体が跳ねた
「…驚いたか?」
「んっ、大丈夫…にあります…んッ」
もっと こうしたいと思う反面
ソワソワとして落ち着かなくなって来て
キュっとみくりが
義勇の寝巻を掴むと
そっと義勇の手がその手の上から
包み込んで来て キュっと握られると
その手を掴む強さに比例する様に
自分の胸が握りしめられた様な
そんな感覚を感じてしまって
切なさで胸が苦しくなる…
「んっ、…はぁ…苦し…いッ」
「すまん、息が出来なかったか?」
「いえ、義勇様。そうではありません、
息ではなくて、苦しかったのは
ここの奥にあります…、もっと
貴方様と、そうしていたいのに。
そうすれば、する程に。ここが
ぎゅっと締め付けられてしまいます…」
そうして 涙を浮かべながら
その可愛らしい顔を歪ませるのを
見ていると いっそこのままと
そう思ってしまいそうだ…
「…みくり、…好き…だと言う
感情なのだと…思う」
そう 義勇が自身が無さそうに
そう言って来て
「お慕い…しております。今も
この先も、ずっと…貴方様を」
ギュッと自分の身体で
包む様にしてみくりを抱きしめた
「…そうか。わかった。
俺も、そうしよう。
みくり、だけを生涯、愛す。
それで…いいか?」
「勿体なくありませんか?
いいのですか?私だけが
そんな、王族の方ならば…」
沢山の妻をハーレムに囲って
お世継ぎを沢山作らなければ
ならない物のなのではないのだろうか
「その辺りは、煉獄に、
杏寿郎に任せればいい。
俺は、妾の子供だからな…。
欲しいか?」
そう あの深い
青い目に見つめられてしまって
子供が欲しいかと問いかけられてしまって
「その、すぐ…でなくても、
いずれは…と、考えておりま…す」
「そうか、わかった。考えておこう」
身支度と朝食を済ませると
泊まっていた宿を
義勇とみくりは後にした
昨日話していた寄りたい場所へと
向かっている様だった