第13章 銀の流れる川 後編 お相手:竈門炭治郎
「俺の所為で、ああなってしまったので、
責任を取らせて頂きたいんです!
ダメでしょうか?いけませんか?」
そう言って 乞う様な視線を
みくりに向けて来る
どうしよう 凄く 可愛いな
炭治郎君っ……彼は真剣なのに
こんな事を考えてたら 失礼なのかもだけど
「いや、あの、炭治郎君の所為って訳じゃ……」
「それは譲れませんっ!お願いします!!
俺、まだ他にも、みくりさんに…
謝らないといけない事がありまして、
その、ここでは言えない事なんですけども……」
と 言われたので
蝶屋敷を出て
ゆっくりと二人で話を出来る所が
こんな所しか思い浮かばなくて
今 炭治郎君と
出会い茶屋に居るんだけど
こんな所に こんな子を連れ来てしまって
良かったんだろうか?
どう見ても
傍から見れば
いたいけな少年に
悪い遊びを事を教えようとしている
いけないお姉さんにしか見えないんじゃ…
でも 静かで
他の邪魔が入らなくてって
こんな所位しか……
座布団の上で
物凄く姿勢を正して
キッチリと正座をしている
炭治郎の方をみくりがちらっと見た
でも 話したい事
もとい 謝りたい事の内容を
炭治郎は話し出そうとせず
とりあえず
炭治郎君の緊張を解いてあげなくてはと思って
お茶を淹れるとみくりが炭治郎に勧めた
「とりあえず、
お茶でも飲んだらどうかな?はい」
そう言ってみくりが差し出したお茶を
受け取ると炭治郎が緊張していたからなのか
一気にそれを飲み干してしまったので
「す、すいませんでした」
「いいよ、時間もあるし、ゆっくりで。
あ、お茶、もう一杯淹れようか?」
「ありがとうございます、頂きますっ!」
そう言って炭治郎が差し出した湯呑を
みくりが受け取る時に指先が触れてしまって
ごめんと謝って手を引っ込めようとした時
畳の上を
湯呑が転がって
その手を炭治郎に
ギュッと握られているのだと
気が付いた
「みくりさんっ、俺……あの時の
みくりさんが、その、忘れられなくて…」
自分に向けられている炭治郎の視線に
熱い熱がこもっているのに気づいて
そんな 視線を真っすぐに向けられたら
男の子だって 思ってたのに
こんな 顔するんだって……