第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
上から下まで 杏寿郎の
視線が小野寺の姿を確認して
バサッと頭から
白い布を掛けられてしまった
「すっ、すまない。
まさか、前がそうなってる
とは思ってなかった」
「これっ、普通の恰好だと
言われて着せて頂いたのですが?
ここでは、この寝巻を着るのが
普通だと侍女さん達が言ってたの。
普通では、無いのですか?
透け透けの…寝巻は」
「部屋まで、送ろう…っと」
そこまで言って ハッとした
そうだ まだ 部屋を決めて無かった
「まだ、荷物も届いてませんし、
お部屋も決まってないので、
その…、今夜はここで…と。
一緒に寝て下さるとお聞きしましたが?」
白い布に包まりながら
恨めしそうな視線をこちらに向けて来て
小野寺が杏寿郎に訴えかけて来て
小野寺は 一人寝をした事が無いから
添い寝をする…だけのつもりで居たが
こんな格好をしているとは…
この包まっている布の下が…
身体のラインが丸わかりの
あの 透けた寝巻一枚で
下着すら 纏ってないのは
透けていたから…見てはいけないと
思いつつに 見てしまって居て
その瞳が潤んでいるのも
少しばかり 息が乱れているのも
ほんのりと頬が蒸気しているのも
それは…恐らく
後宮のチョコレートの所為で
チョコレートって言う
この甘い甘いお菓子には
サクランボのお酒が入っていて
頭の芯が ふわふわとして
凄く いい気分…だ
お酒を飲んで 酔っぱらうのって
こんな 感じがするんだ…
「身体は…、少し熱ぽいというか
火照っている様な、感じがします…」
そう 小野寺が自分の身体の
状態を伝えて来て
「他には、何か、無いか?」
「頭の芯が、ふわふわして…
いい気持ち…がしています。
ひとつ、ふたつ、お召し上がりには?」
一緒に食べろと言われたからか
その味が美味しかったからか
それとも 今が酔いが回って
いい気分になっているからなのか
俺にも それを食べる様にと勧めて来る
「まだ、それを食べても…平気なんだな?
普通は、5つ、6つ食べていたら
その状態では、居られない様な物だからな」
「もっと、食べてもいいですか?
まだ、沢山あるから」
もうひとつ 食べたいと
そう小野寺が言って
その手を杏寿郎が掴む