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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇



王位継承権を有して居ながらも

王宮の中にはどこにも

俺の居場所なんて…無かったんだ


上辺だけの言葉

上っ面だけの笑顔


見え透いた嘘


俺の世界にあるのは…それだけだった


たった一人 アイツを除いては


アイツは 生まれながらに

俺の持たない物を全て持っていた


王宮の中の人間が

次期のスルタンにと期待をしてるのは


煉獄のスルタンと同じ姓を持つ



杏寿郎…の方だ



だが…アイツだけは 王宮の中で


唯一 俺を必要だと言ってくれて

俺の努力を認めてくれた


だが俺のその努力は…


お前の様に 認められたくて

していただけなのにな


皮肉な…物だ


サラっと みくりの手が
義勇の頭を撫でて来て

カーテンの開かれた

開け放たれた窓の外には


月が 浮かんでいて



「やはり、こうして…月明りの下で
見る、義勇様は…月の使いの様にあります」

「みくり、…居てくれ」

「私は、ここに居りますよ?義勇様」

義勇の腕が みくりの腰に回って来て
そのままギュッと抱きしめられる
華奢な様に見える義勇だが
男性なので その力はしっかりとしていて

「お前だけだ…、みくり」

「義勇様?」

縋り付く様に 腰に引っ付いて居た

かと思うと

その身体を起こして

ベットの上で向かい合って座る


スルッと義勇の指先がみくりの
頬を撫でて来て


「俺が、妻として娶るのも…」


頬を撫でていた 指が

みくりの唇を撫でて行く


「俺が、生涯…を掛けて、
愛するのも。みくり、お前だけだ」


スッとみくりが自分の手を
義勇の頬に添えて来て


「私も…にあります、義勇様。
私の命も、愛も全て、義勇様。
貴方様、だけの物に…ありますので…。
私を、貴方の妻にして下さいませ」


あの二つ星の降る夜から

こうなる 定めなのだと

強く感じていたのだから


ううん そうじゃない

私が この大地に 降る星となる

その運命を選んだのは…


きっと この人と…共にある為なのだと



「全ては星の導きのままに…」

静かにみくりがそう言うと

義勇の指が唇から離れて

与えられる 温もりの予感に


みくりが 瞼を閉じた


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