第54章 スルタンコラボ企画 中編 お相手:冨岡義勇
気が付いたら…
私の身体は浴室の脱衣場ではなくて
部屋のベットの上にあった
それも ベットの上に居ただけじゃない
私はあの時… 全裸だったのだ
ガバッとみくりが慌てて
身体をベットから起こして
掛けている布団を捲ると
自分の身体を確認する
着ている…着ているのだ
着ていなかった…はずなのに
ガチャとドアが開いて
義勇が中に入って来る
「ん?…みくり、気が付いたか」
ボスッ 義勇の顔に
枕がクリーンヒットして
そのまま床に落ちる
少し義勇がかがむと
床に落ちた 枕を拾い上げて
そのまま 無言のままでこちらへ来ると
「落としたぞ」
「落としたのではありませんっ、ううっ。
その枕は、私が貴方に投げつけたのですっ」
意味が分からないと言いたげに
義勇がその端正な顔を歪ませる
「どうして、俺は、お前に
枕を投げつけられる?何故だ?」
「助けて頂いて置きながら、
無礼であるのは、承知にありますが…ッ」
ああと言いたげな顔をして
義勇がぽんと手を打つと
「俺がお前の裸を見たからか?
だから、俺に枕を投げつけたのか?」
そう 何か問題があるのかと
言いたげな感じに尋ねて来て
「そうに…ありますッ…。
私は、このままでは…、お嫁に行けませんっ」
「俺の妻になるのにか?
他にどこへ、嫁に行くつもりだ?
少し、落ち着け。水は飲めるか?」
俺の妻になると言う義勇の言葉に
みくりがハッとして
そうだった 私はこの方の
妻に…なるのだった
その… 妻になるのだから
当然に…肌を合わせる…と
身体を…この方と合わせる…って事…で
カアアアッと顔に熱が集まるのを感じて
「まだ、のぼせてる様だな。
みくり、顔が赤い」
そう指摘されて 義勇の手が
そっと みくりの頬に当てられて
赤い頬が更に赤くなって熱を帯びる
「冷たい水を貰って来た、飲め」
そう言って 手に冷たい水の入った
グラスを握らされてしまって
「身体の熱が冷める」
「すいません…、義勇…様。
ご心配をお掛けした上に、ご迷惑を
それに、枕をぶつけてしまって。
何とお詫びを申し上げればいいのか…」
「別に…、構わない」
「へ?しかし…」
「俺は、構わないと言ったんだ」
その深い 深い海の色の瞳に見つめられる