第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
朝食の言葉に 時間を確認すると
朝の7時半を少し回った所だった
ピクニックバスケットを
抱えた杏寿郎が
こちらに向けてそれを掲げて来て
「目が醒めたのなら、こっちに来て
一緒に食べよう。ああ、そうだ
これを持って来た時に、松代さんが
LINEを確認してくれと言って居たぞ?」
LINEと言う言葉を聞いて
「ああっ!成瀬さん、LINEするって
昨日、言ってた…っ」
慌てて パジャマを着ながら
置いていたスマートフォンを持って
LINEを起動させながら
みくりが杏寿郎の居る
ソファの方へと移動して来る
「君が、いつもの時間に目を醒まさない
なんて珍しいな。仕事が無い日でも
いつもの時間には一度、目が醒めるだろう?」
杏寿郎がテーブルの上に
ピクニックバスケットを
開いて見せてくれて
野菜が沢山サンドされた
チキンのサンドイッチに
キッシュとソーセージ
デザートにフルーツヨーグルトがついて居て
「わぁ、朝ご飯、可愛いし、
凝ってるんだね、野菜も一杯だし」
みくりが開かれた
ピクニックバスケットを
目を輝かせて覗き込んでいて
「飲み物は、君の叔父さんの作った
ミニトマトのジュースらしいぞ?」
明らかに杏寿郎の手にあるグラスの中の
ミニトマトのジュースは
その辺のスーパーの物とは
見るからに品物が違うのは確かで
こちらにグラスを差し出して来る
杏寿郎の手から
ミニトマトのジュースを受け取ると
杏寿郎の隣にグラスを持って腰を降ろした
ゴクッとその見るからに
濃厚そうなジュースを飲み込むと
「どうだ?美味いだろ?」
「叔父さんのミニトマトだもん、
味は間違いないけど、凄い…
ふるさと納税の味がする…。
ああ、そう言えばジャムとセットで
ふるさと納税に出してるって言ってたな」
「で?その成瀬さんとやらは
何を言って来てるんだ?君に」
そう杏寿郎が
成瀬さんからのLINEの内容を尋ねて来て
「準備しとくから、9時半に
市内唯一の結婚式場に
杏寿郎と2人でおいでって」
「俺としては…不満が無くも無いが。
個人的に…、あの人には借りがあるしな」
杏寿郎の言葉にみくりが首を傾げる
「借りって、伊勢海老の事?」
ふぅっと杏寿郎が息を吐いて
「いや、もっと古い借りだ。
どうやら、俺は彼に大きな借りがあったなと」