第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「嫉妬に狂わせていると、
言う自覚でもあるのか?」
嫉妬に狂う??
嫉妬? する…?
「え?何で?杏寿郎が嫉妬するの?
ああ。私の親戚とか、知り合いとか
ばっかりで、除け者感がしてたとか?
それとも、渡辺君の事?」
はぁーーーーっ
と杏寿郎が一息でそこまで長く
息が吐けるのかと言う位の
長ーいため息を付くと
「全くの無自覚なんだよな。
いや、知ってるんだ、君がそうなのはな。
俺は君のそう言う部分が気に入って、
君を選んだんだしな。
それは承知してるんだがな」
「でも、不安だったり、
不満だったり……杏寿郎は
してるって事でしょ?違った?」
「過去の事…だとでも言いたいか?
だが、俺だって不安にもなるし
しょうもない事も考える。
君が、あの人と出会いさえしなければ。
今、君は俺と一緒には、
居なかったんだろうかとかな」
反論して来ようとした
みくりの口を杏寿郎が手で塞いで
「言いたい事は分かってる、
今の君の気持ちが、
俺に向いてるのは知ってる。
だが、俺が言いたいのはそうじゃない。
可能性の話だ、あくまでもな」
あの時 あの人と……出会わなければ
渡辺君と今も一緒に居たのかとか
彼と結婚してたのかとか
杏寿郎が言いたい事はそんな事で
「今がこうなのに?どうして
そんな事、気にするの?
私達、来月、入籍するんだよ?
分かってるの?杏寿郎」
「みくり。ダメな俺に
俺で良かったって言ってくれないか?」
むぎゅっと胸の間に
杏寿郎が顔を埋めて来て
「私は、杏寿郎がいいんだよ」
「知ってる」
「言えって言ったじゃんっ!今ッ」
「それは、言ったが…」
「ねぇ、杏寿郎」
「何だ?」
「私ね、杏寿郎の事好きだよ?」
「それも知ってる」
「好き……だよ?」
「さっきそれは言っただろう?」
うーんとみくりが唸り声を上げると
「それだけじゃ、杏寿郎は足りないの?」
「俺はもう少し、君には
その辺りに貪欲になって欲しい位だがな」
「好き…、伝わりにくい?」
クシャっとみくりの髪を
杏寿郎の手が撫でて来て
「いや、伝わってるんだがな。
俺は欲張りなんだろうな、君からすれば」
「杏寿郎」
名前を呼ばれたと思ったら
みくりの方からキスをして来て
そのまま 唇を押し当てられる