第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「んっ…、んんっ??」
こっちからしていたキスのハズ
だったのに 知らない内に
キスをしていた方から
されている方になっていて
そのまま両腕で抱きしめられてしまって
身じろぐ事も許されない
彼の腕の中で 終わらないキスに酔う
「んっ、ふ…、ん、ん゛ーんぅ」
杏寿郎は意外と嫉妬深いし
私なんかに嫉妬しなくても
私が何かするなんて無いのに…な
杏寿郎は 結構
独占欲が強い…気がする
私なんか 誰も
興味ないと思うんだけどな
長い長い触れるだけのキスから
ようやく解放されたと思ったら
コツンと額を合わされてしまって
「杏寿郎位な、もんだと思うよ?」
「何の話だ?」
「私みたいな、もの欲しがるのって
杏寿郎位だって話だよ」
押し当てていた額を
グイグイと押されてしまって
「痛いから、それ、地味に痛いからっ」
「君は君の価値が、何も分かってない。
だから、俺が苦労するんだ」
「ええっ、女子トイレとかに
呼び出されて、数人に囲まれて。
嫌味ねちねち言われたりとか、
そんな実害ないでしょ?」
「初耳だが?」
お互いの視線がぶつかって
みくりがしまったと言う顔をしていて
「あ、でもね」
「もしかするんだが、ここにある
この傷がそうか?」
グイっとサイドに掛かってる
髪の毛を上げられてしまって
みくりの左の耳の下の
フェイスライン残る小さな傷跡を
見える様に曝け出されてしまって
その傷跡を舌でなぞられる
「んっ、……そうだよ。
でも小さい傷だけど
血が凄い出て来て押さえてたら
アッチがそれに驚いて逃げちゃったの」
「それは普通に、傷害事件だがな。
どうして、あの時に話さなかったんだ?
猫に引っ掻かれたと、言ってただろう?」
「いや、でもさ?それで
警察沙汰って言うのもねぇ?アレだし。
そんなんで、アッチが停学とか
になったらさ。逆恨みみたいに
なってもね?良くないし。
それに、そう言うのに、杏寿郎が
出て来ると、余計にややこしくなるもん」
とまで自分の思った事を言ってはみたが
怒って……るよね?これは
「俺の所為でそうなってるのに、
どうして俺にそれを話さないんだ?」
「怒ってる?」
「これに関しては、俺が
怒っても許されるはずだが?
俺に迷惑になるとでも、思ったのか?」