第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「つくしを炒めたら、
つくしチャンプルーで合ってるよ!」
「じゃあ、それはオリオンビールで
頂くしかないな!」
「でもそれは、今日は出来ないからね?
今日は、パスタと、バター醬油炒めね?
下茹でだけして、お家でね。
天ぷらと、砂糖漬けもね?
あのコンテナハウスのストッカー、
角の小さい方のは、冷凍の方だから」
つくしの下茹でをすると言ったら
杏寿郎もウッドデッキの方に出て来て
「火、起こすか?」
「うん、そうだね。
そうして貰おうかな、私は
こっちのガスの方でパスタ作るし、
ローストチキンのお世話は
杏寿郎がビール飲みながらしてよ」
「何だその、素晴らしい仕事は!
火の守りをしながらダッチオーブンを
見る仕事だなっ!!
それもビール飲み放題付か」
夕方の分の炭はこっちが用意
してくれている様で
ちゃんとチューブの着火剤も置いてある
「ビール、何がいい?ストッカーで
ビール冷えてるよ?まだ飲んでない
ビールにする?サッポロとエビスと
プレモルもあるけど」
「それは、君と一緒にシェアするのに
1缶ずつ買ったヤツだろう?
スーパードライでいいが?」
みくりがキッチンのガスのコンロで
深めのクッカーで2つお湯を沸かしていて
「だが、余らないか?
パスタにBBQだろう?多すぎないか?」
「そんな事ないよ、パスタは
つくしの味見程度の量しか作らないもん。
大丈夫だよ、足りないよりいいよ。
残ったら、朝にでも食べたらいいんだし」
そうしてお湯が沸くまで暇なのか
みくりがキッチンの窓から
杏寿郎の方を見ていて
「ねぇ、杏寿郎。火起こしするんだったらさ
私の持ってる、ヘアゴム、1本貸したげる。
昼の時も、ちょっと、気になっててさ」
「ん?それは俺のこの髪に、
飛んだ火が、燃え移りそうだってことか?
それは有難いが、生憎俺は
もうグローブを履いたんだが?」
ふぅっとみくりがため息をついて
杏寿郎が言いたい事が分かったんだが
みくりがコンテナハウスから出て来て
杏寿郎の髪を後ろでひとつに適当に
集めるとゴムで束ねる
「……。そう言えば…前にも、
こんな風に…杏寿郎さんの髪を
束ねた事が…ありましたね…。
はい、どうぞ。出来上がりましたよ?」
そう何かを懐かしむ様にして
ぼそっとみくりが呟く