第13章 銀の流れる川 後編 お相手:竈門炭治郎
俺が町から戻ると
炭治郎はこの世の終わりみたいな
顔をして廊下を歩いていて
俺の顔を見ると
その顔がパアッと明るくなって
「ぜ、善逸、俺……、俺ッ」
「ど、どうしたんだよ?炭治郎。
お前、この世の終わりみたいな顔してさ」
「明日…来るんだ」
「明日?来るって、
何が来るって言うのさ?」
「昨日…俺が、話した人……だ。
明日、ここに来るらしい」
するって言うとあれな訳?
炭治郎が裸見ちゃった
年上の美人の隊士が明日ここに来るわけ?
あのおぼこい 炭治郎を変えちゃった
その 本人が? ここに?
ええーーー! 炭治郎には悪いけど
めっちゃ見たいんですけどぉー見たいっ!
だって だって 気になるじゃん?
「で、お前どうするつもりなんだよ?」
「謝る!謝って、
許してもらえるまで、謝るつもりだ」
俺が言いたい事はそれじゃなくって
ああ もう
コイツはガチガチのデコ真面目だな
「後、俺は考えたんだが、善逸……」
炭治郎が何か意を決した様子で言った
「責任を取ろうと思う、男として」
「お前、真面目すぎんだろ、バカじゃん?
相手も事情わかってんでしょ?そんな事
言ってくる訳ないじゃん?
裸見られたくらいで…そんな」
「善逸にはそうかもしれないが、
俺にはそうなんだ!」
ああ もう 分かったよ
お前はそんな奴だよ!
それ 明日言って
当の本人にめっちゃ引かれる炭治郎見るのは
面白そうだからいいけども
「俺は、忠告したからな!勝手にしろよ。
俺は、知らないからなっ」
そう捨て台詞の様に炭治郎に言って
善逸はその場から去って行ってしまった
ーーーーーーー
そして 夜になって
善逸は自分のベットに潜り込んだ
隣のベットは空っぽで
炭治郎はどこへ行っているんだろう?
また あの時みたいに
屋根の上に居るんだろうな……
屋根の上から音がするから
「こんな時間に、こんな所に居るなんて
明日の事が気になって、眠れないんですか?
よく眠れるお薬を、ご用意しましょうか?」
俺の様子を心配してくれてなのか
しのぶさんが様子を見に来てくれて
「しのぶさん、……でも、俺、大丈夫です」
「お悩み…ですか?」