第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「逃げると追いかけたくなるのが、
男の本能と言う物だろう?
俺が、追いかければ追いかける程、
近付こうとすればするほど、
逃げられてたからな、当時の君には。
俺に全く、興味が無いとあそこまで
態度に出されて居たら、
男の意地に掛けても、
興味を引きたい物だからな」
要するに…
そっちから来る方の女には
杏寿郎は興味なかったって事?
女の子達が杏寿郎が来るからって
どうにかして興味を引こうと
あれやこれやと作戦を立てて
画策してたのは知ってたしな
「ましてや、自分の物だと
思ってるのに関わらずに…だ。
あれやこれやと、男の影があるだろう?」
そう言うと みくりが
物凄く変な顔をしていて
自分の肩に顔が付くぐらいに傾けて来て
「え?あった……っけ?そんなの」
むにゅっと両サイドから
頬を抓る様にして掴まれて
ムニムニと揉まれて引っ張られる
「痛いっ、痛いからっ。
杏寿郎、止めてってっ」
「可愛さ余って…憎さ…と言うやつだ。
無自覚なのは理解してるし、
そう言う物だと理解してても
俺だって、腹ぐらいは立つぞ?」
「怒ってるの?」
解放された頬がジンジンするので
スリスリとみくりが自分の手で擦る
「俺の方を、
君に向かせたいと思う物だろう?」
「結婚するんだよ?」
「そうだな、だが、俺が
言ってるのは、そう言う意味じゃない。
振り向かせたいし、俺だけを見ていて欲しい…と。
独占したいと、そう思う物だろう?」
そこまで言うと
杏寿郎がふぅっと短く息を吐くと
「あの、成瀬さんとやらが
君に対してここまでするのは
俺に対する当てつけ以外何があるんだ?
俺が思うに、あの人は全然諦めてはないぞ?
恋愛感情でないとは言えど、
ビジネスパートナーとして君を
自分の手元に
置いて置きたいと思ってるからな」
「成瀬さんはそんな人じゃないって、
杏寿郎の考え過ぎっ…んっ…んぐっ」
言いたい事はまだあったのに
杏寿郎に唇を塞がれて黙らされてしまって
グイっと後頭部に回された手で
支える様にして押さえつけられて
そのまま されるがままに
貪る様なキスをされてしまう
「んっ、…ん、ふっ、ん」
チュッとそのまま首筋に吸い付かれて
見えそうな場所にも跡を付けられてしまって
「本当に君は、全くもって
何も分かってないんだな、みくり」