第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
答えを求められた所で
答え様も みくりには無いのだか
「(麻理恵先輩のドレス、
着たんでしょ?)」
その松代の問いかけに
みくりが頷くと
「(お姫様が、壇上で倒れて
颯爽と現れた王子様がそれを
救い出したんだって……、会場から
直接来たお客様が言ってたんだけどさ。
みくりも見てたの?凄かった?)」
みくりがうーんと唸り声を上げて
「真希ちゃん…あのさ、
それ、サプライズイベントとか
盛り上げる演出じゃなくてさ…。
ドレスのコルセットをね?
きつく締め上げられ過ぎてね」
「すいません、こちら
記入出来たのですが、これでいいですか?」
宿泊台帳の記入が出来たと
杏寿郎が松代に声を掛けた
「はい、ありがとうございます。
煉獄様。こちらの方、本日の
お泊り頂く、トレーラーハウスの
キーとなっておりますので。
バーベキューの方は、
17時半以降に順次
各、ウッドデッキの方にこちらより、
お届けに参りますので。
追加のご注文もウッドデッキに
メニューの方、備え付けておりますので
直通のお電話にて賜ります」
ご案内 致しますねと
松代が別のスタッフと
カウンターを交代して
こちら側へと回って来る
受付のある棟から出ると
周囲に気を遣いながら
松代が話しかけて来て
「って、それってじゃあ、
倒れたお姫様って言うのは…」
ハイとみくりが小さく手を挙げて
「私の事だよ、不本意ながらにね」
ちらっと杏寿郎の方を
今度は松代が見て来て
「だったら、助けた王子様と言うのは…。
煉獄さん…なんですか?でも
お客様が口を揃えて、太鼓の王子様って」
ゴソゴソとみくりが
西井のLINEを開いて
杏寿郎の太鼓の王子様の由縁と
サプライズ演出の全容を見せた
それを松代に見せていると
西井からLINEがちょうど来て
SNSで例の騒動が拡散されて
話題になっているらしいと言う事と
画像を広報誌に載せてもいいかと
杏寿郎からの許可が欲しいと言って来て
「太鼓っ…、良かった…の、
五月蠅いし、心臓に響くから
近くで見るのは苦手だけど」
「太鼓の王子様……、納得した」
「ねぇ、真希ちゃん、お夕飯って
ここのスタンダードなの?」
夕飯は決められたコースから
選べるシステムでメイン料理と
肉を選べる様になっている様だった