第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
着ていた服を着替えて
風船に付ける メッセージカードを記入して
と言っても持っていたボールペンで
書いただけだから 愛想も素っ気も
無い様なそんなカードだったけど
みくりがスマートフォンを
確認すると 成瀬さんからと
西井君からと叔父さんからLINEが来ていて
西井君からはさっきの太鼓を
叩いている杏寿郎の画像と
ステージ上で倒れた時に撮った画像が
送り付けられていて
「ふと思ったんだけどさ」
「何だ?」
待っていた杏寿郎の元に
準備を整えて駆け寄ると
杏寿郎が差し出して来た手を握った
「これに何を書いたのかとかか?」
「ううん、それは私宛じゃないから
それは聞かないけど、杏寿郎はさ
西井君の事は平気なんだね。成瀬さんの
時は、怖かったけど…」
「ああ。それか?
男と言う生き物の性の様なもんだろう?
自分よりも優れてると感じる存在には、
嫉妬する生き物だからな。
男と言う生き物は、自分の立場や
名誉にこだわるものなんだ。
まぁ、女性である君には
分からない心理だろうがな」
杏寿郎の言葉にみくりが
わからないと言いたげに首を傾げる
「平凡な男は
自分より優れた者を認めないが、
才能ある男は
天才を即座に認める…と言うらしいぞ?」
その杏寿郎の言葉に
ますますわからなくなるけど
杏寿郎は自分を
平凡だって言ってるんだよね?
「でも、杏寿郎だってそう言う
羨望の眼差しで見られてるのに?」
「まぁ。俺が…感じているこの感情は
恋愛の云々ではなくて、
社会的嫉妬と言う方のやつだな。
因みに、女性の君にこんな話をしても
わからないだろうが。
それに、あっちも俺を警戒してただろう?」
一触即発……と感じたんだ
あの時の成瀬さんと杏寿郎
「凄い、ピリピリしてたけど?」
「ああ。成瀬さんとやらからの
お土産はきっと高額だろうから、
期待して良いぞ?そのお祝いとやらの
意味合いが正にそれだからな」
「意味合いって?」
「君に分かる様に言えば。
彼は俺に、自分の財力を
見せつけたいと言う事だな」
「…?財力を見せつける??」
分からないと言う顔を
みくりがしていて
「まぁ、君はそのお祝いとやらを
有難く、美味しく
食べていればいいと言う事だ。
その辺りは、俺とあの人との事だからな」