第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そう 否定的な言葉を杏寿郎が並べる
「でもさ、その結婚式場も
自分の所の広報が居るんじゃないの?
ああ、小さい式場とかなの?
それなら分かるけど」
「多分、管轄外だからだろうがな…。
その式場がうちに依頼を掛けて来たのは」
結婚式出来るのに管轄外…って?
その矛盾する杏寿郎の言葉に
みくりが首を傾げた
「いい方法を思いついたんだ、
だから、この話を
引き受ける事にしたんだがな」
また 杏寿郎がひとりで
勝手に考えて閃いて 納得して
私に何も説明しないやつだな…と
みくりは理解はしたのだが
こう言う時の杏寿郎は
大体 私が絶対に喜ぶって言う何かを
思いついたって事だろうから
それにどうせ 来月になれば
それも分かるみたいだしね
今は 言いたくないみたいだし
敢えては 聞かないでおこうと
みくりがそんな事を考えていると
コンコンとドアがノックされて
前が乱れていたので
みくりがシーツの掛った毛布で
自分の身体を隠す様に覆った
「はい、どうぞ」
ガチャとドアが開いて
見知った顔が入って来た
「気ついたか?小野寺」
そこに居たのは叔父さんでも
ましてや成瀬さんでもなくて
「って、なんで西井君なのよ?」
「いや、お前暇そうだから
お前の様子見て来いって」
あ そうか
風船販売してたもんな もう暇なのか
「さっきさ、倒れた時の写真見るか?」
そう言いながら 遠慮する様子もなく
西井がベットの横の丸椅子に腰を降ろすと
持っていたデジカメの画像を
ベットの上のみくりに見せる
ステージの上で杏寿郎に支えられて
お姫様抱っこされているのを
バッチリに西井のカメラに収められていて
「会場は騒然としてたけど、王子様だっ
ってその後凄かったし。見せたかったな」
「倒れてる本人が、見れる訳ないでしょ?
ってこれ、滅茶苦茶目立ってるじゃん。
通りでどこも身体痛くないと思った。
杏寿郎……、ありがと」
みくりが杏寿郎に身体を向けて
お礼を言って来る
「本当は、みくり。
少し前から辛かったんじゃないのか?
締められ過ぎて、いつもと違って。
顔色が悪かったから、
気になって見てたからな。
倒れ込む前に、間に合って良かったが」
「これも、送るわ」
と西井がニヤニヤしながら言って来た