第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「(行って来いよ、似合ってるぞ)」
和太鼓があっと言う間に片付けられて
あの風船が大量に入ったネットが
ステージの上に用意されると
MCの地元出身の芸人が戻って来て
『それでは、皆様、お手元の
風船の準備は整っておられますでしょうか?』
その芸人が手に持っている水色の風船を
持ち上げて見せると
客席でも同じ様に風船を掲げて上げる
姿がこちらから見えて
『まずはこちらの後ろの青い風船の方、
1000個が大空に、会場から
選ばれたネモフィラプリンセスと、
当ネモフィラパーク中条の、
計画の発案者である成瀬一成の手で
合図と共に舞い上がりますので…
続きまして、時間を置いて、
皆様のお手元の水色の風船を
追いかける形で空に放って貰います』
風船を空に放つタイミングの説明を
杏寿郎がぼんやりと聞いて居ると
「煉獄さん、煉獄さん」
後ろから声を掛けられて
杏寿郎が振り返ると
「えっと、確か、公務員の…」
「西井です、あのこれ、風船。
残り物なんですけど、良かったら。
後それから…」
西井がある事を杏寿郎に耳打ちして来て
「いや、それは俺としては
有難いんだがいいのか?」
「数は十分用意してるんで、いいです。
さっき俺、失礼な事煉獄さんに
言っちゃったんで。あ、もうすぐ
小野寺出て来ますよ?
さっき袖から写真撮ってたんですけど」
『ネモフィラプリンセスの登場です』
地元出身のデザイナーである
マリエ・エトウのデザインの
水色を基調としたウエディングドレスに
その身を包んだ 女性達が
壇上に上がって出そろうが
その中には みくりの姿が無くて
『続きまして、成瀬一成と…。
当計画の陰の功労者の……登場になります。
ご本人がお名前は、
勘弁してと言う事でしたので。
プリンセスではなく、
ネモフィラクイーンに、
登場して貰いましょう!』
タキシードに身を包んだ成瀬が
みくりの方に手を差し出して来て
「こうしてると、
ヴァージンロードに愛娘を
エスコートする父親の気持ちになるな」
「ふふふ。成瀬さんは
お父さんには若すぎますよ」
成瀬にエスコートされて
ステージの中央に移動すると
カウントダウンと共に
西井のあのメモにあった
紐を合図で引くだけの簡単なお仕事をして
そのまま…ステージの左右に
5人ずつ分かれて立つと