第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
幾重にも重ねられたオーガンジーの
スカートが
地面に引きずる程に伸びている
満開のネモフィラ畑を思わせる様に
ドレスの全体にはネモフィラの
大きめのフェイクフラワーが
ふんだんにあしらわれていて
「出来上がりましたよ、お姫様」
「お鏡をどうぞ」
そう言って 大きな鏡を
2人の女子高生が持って
こちらに見せて来て
「うわっ、派手過ぎじゃない?」
「結婚式とかのメイクもこれ位ですよ?
親戚のお姉ちゃんの結婚式
あったんですけど、これ位だったんで
大丈夫です、遠巻きで見て
これ位だったら問題ないかと」
「じゃあ、皆様…。
行ってらっしゃいませ」
この部屋に来る前に
西井君から預かったメモがあった
あれに何か書いてあるはず
カサッっとメモを開くとそこには
”紐を合図で引くだけの簡単なお仕事”
と見覚えのある字で書いてあって
「西井の馬鹿野郎つ!ああ、
アイツ、頭いい癖にこんなんだったわ。
肝心な時に、こんなんなんだよ、アイツは」
みくりがその西井のメモを
グチャグチャに丸めて
思い切り床に投げつけた
「あ。ゴミはゴミ箱に…」
「すいません、自分でしますので」
冷静なツッコミに冷静さを取り戻して
丸めたメモをゴミ箱に捨てると
そのまま 他のネモフィラプリンセス達の
後をついて あのさっき西井が居た
あの広場の部分に戻って来る
もう 風船を販売しているブースはなくて
イベントの開始宣言を地元出身の
芸人の人がしていて
最近ちょっと有名になって来て
テレビでも見た事あるな あの2人
つい立てになって居る
張りぼての板の裏から
特設ステージの上でコントをしているのは
その2人に憧れて芸人を目指してると言う
地元の高校生で 高校生のネタに
上手い事 芸人のふたりが被せて
笑いを起こしてるのを見てると
やっぱりプロはプロなんだなと
ある意味感心してしまっていた
地元の中学校のブラスバンド部の演奏と
和太鼓グループの演奏と
よさこいソーランのチームのコラボは
中々に迫力がある出し物だった
でも 至近距離の太鼓は
心臓に響くから正直苦手だけど
その和太鼓グループが
並んでいる太鼓を説明して
一つずつ演奏して
太鼓の音の違いを聞かせてくれる
最後に花形の大太鼓の説明をして
ドォオンッと重低音が会場に響いた