第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
フロントに着くと
ここのグランピング場のロゴの
入ったワンボックスカーが待機していて
送迎は男性のスタッフがしてくれる様だった
「すいません、
遅くなってしまいました。
お世話になります」
そう遅くなる原因を作った人が
しれっとした感じでその男性の
スタッフに声を掛けていて
乗りやすい様にドアを開いて
ステップになる踏み台を地面に置いて
「いえ、大丈夫です。
本日、送迎の方担当致します、私
岸本 豊と申します。会場までは
安全運転で参りますので、どうぞ」
高齢者や子供に配慮したような
サービスをして貰って
乗り込んだ送迎者は
田舎の山林の間の道を進んで行く
「ねぇ、杏寿郎」
「ん?何だ?さっきの話の続きか?」
睨みつけるような鋭い視線を
みくりが杏寿郎に向けて来たので
「俺は、前にいつにするか
考えてると言っただろう?
それとも、行先を相談しなかったから
君は怒ってるのか?」
「それもそれもだけど、
まだあるでしょ?」
「挨拶には行くんだから、いいだろう?
何が問題なんだ?君的には」
もうまるで 何も問題など
存在もしていないと言いたげに
そう言われてしまって
「じゃあ、私が理解した範囲で
話を整理するわね?入籍をするのは
来月の、5月の10日。杏寿郎の
誕生日って事で…、合ってるよね?」
「ああ。その日なら、
俺も君も絶対忘れないだろう?
ぞろ目の日も、憶えやすいなとも
思ったんだが。来月の5日は友引で、
日は悪くないんだが。こどもの日で
市役所がやってないからな」
「で、その日に入籍するのは
もう、職場は分かってて、結婚の特休を
申請してあるって事だよね?」
杏寿郎が窓の外を見ていた視線を
みくりの方に向けて来て
「ああ、うちの部署の上司が
入籍する日を教えて欲しいと何度も
言ってたからな。報告に言ったら、
結婚休暇も申請して行けと言われてな。
そうしたら、
君の部署の上司にも伝えとくと、
上司自らに申し出られたら
こっちは、それに甘えるしかないだろう?」
ふぅっとその言葉に
みくりがため息を付くと
「うちの会社って確か、
結婚休暇7日間でしょ?
4日だったら、余るよね?3日」
「それは、また、再来月に使おう。
入籍してから、1年以内なら取れるし
分割取得してる例も何例か知ってる」