第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「鮑は、捌いて、お造りにしようよ。
鮑は捌くの簡単だし。肝醤油でさ。
サザエと、ホンビノスと
牡蛎は洗って来るね。サザエの
つぼ焼きのタレは作ってるから。
春は貝を食べろってかねこさんが
言ってたし、美味しいよ?」
「いや、サザエのつぼ焼きが
美味いのは知ってるし、
鮑の刺身が美味いのも知ってるがな?」
そう言って わざわざに
こちらに見せてから洗浄しに行って
肉を焼いて待っていると
洗えた貝類と
お造りになった鮑を持って戻って来た
勿論に 今まで生きていた
鮑のお造りも美味かったし
ぷりぷりの身の詰まった
牡蛎も美味かった
杏寿郎が2本目の銀色のヤツの
蓋を開けていて
ゴクゴクと喉を鳴らして
流し込んで行くのを眺めていると
「流石に、その薄いビールじゃ
酔わないだろう?だったら、
みくり、ビールに
これを足してみるのはどうだ?」
そう言って ある物を
クーラーボックスから出して来て
「もしかしても、もしかしなくても。
杏寿郎が持ってるのって」
「俺が持ってるのは、梅酒だが?
ビールを飲むのは良いが、
あまり君は得意ではないし、こうしたら
きっと飲めるとは思ったが。
ビールを割ってるんだから、
そのアルコール度数じゃ
酔うのも難しいだろうからな!」
梅酒をビールで割るのか
ビールを梅酒で割るのか
どっちがどっちなんだろう
そう言われたので
先程にダブルウォールの
タンブラーに注いだ
パナシェを空にすると
その中に梅酒を注いで行って
杏寿郎の手から
新しいビールを受け取ると
その中に入れて
「言って置くが、梅酒の方が
アルコール度数高いからな?」
「知ってるって、そんなのでも、
パナシェは2とか、2・5とかでしょ?」
みくりのその言葉に
杏寿郎がふっと笑った
「物足りなさを感じていた…と
言うのが、正解の顔か?その顔は」
梅酒をビールに入れる事で
より褐色に近い色味に変わる
ふんわりとビールから
梅酒の香りが漂って来て
コクリと喉を鳴らして
みくりが梅酒のビール割りを
一口 口に含んで飲むと
「梅酒の匂いが…、してる。
それに、梅酒の甘さと香りが
ビールの苦さを和らげてくれてるし。
ビールの方が分量が多いの…
忘れちゃいそう。この飲み方も美味しいね」
「そうか、君は梅酒も好きだっただろう」