第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「その後も、でもしばらくは
続いてたみたいなんです。遠距離で」
だが 大学の新入生の歓迎の
バーベキューには俺も
高校時代の友達から誘われて
あちこちの バーベキューに参加したが
割と高確率でみくりが居たので
みくりもみくりで
誘われて断れずな部分も
あったのかも知れんが
「遠距離が…、
上手く行かなくなったのは。
その大学に入学した年の夏頃からで?」
杏寿郎の言葉に松代が顔を上げて
驚きを隠せないと言いたげに
杏寿郎の方を見てくる
「ええ。そうです…その辺り……に、
みくりから、別れ話を
切り出されたんだと言ってたので」
「貴方と、その彼は親しいのか?」
「え、ええ?家は……渡辺さんの家と
目と鼻の先に家があって。アイツ…
じゃなかった、渡辺さんとは幼馴染なので」
「いや、そうか……。
それで貴方はみくりに、
あのビールを飲ませたくて?」
「すいませんっ、ご入籍を
お控えになっておられるのに。
嫌な気分に……、なりますよね?
でも……、みくりに
アイツの作ったお酒、飲んで貰いたくて」
内臓の処理が終わったヤマメに
竹で出来た串を打っていくと
一気に塩焼きらしさが出て来る
「後は塩を振って貰って、
尻尾には、多めに化粧塩を
してやってください」
「もし…彼に、会う事があるんだったら。
みくりは柑橘が好物だし、
特にレモンが好きなんだと彼に、
伝えてやっては貰えないだろうか?」
くすっと杏寿郎の言葉に
松代が小さく笑った
「煉獄さん…かなり男前ですね。
私、驚いてしまいました
だから、みくりは煉獄さんを、
結婚する相手に選んだんでしょうね」
「だと…、いいんですがね」
ヤマメに串を打って帰ると
みくりがコンロの上で
焼く物の準備をしてくれていて
「ただいま。みくり。
どうだ?ヤマメ、こうすると
一気にそれらしくなるな
どうする?焼くか?」
「うん、焚火台に串立てる穴が
あるから、それに挿して焼こうよ!
ヤマメ、焼きたて、絶対美味しいよ。
ねぇ、すぐ食べれるの焼いてさ、
乾杯しようよ。銀色のヤツでさ」
バーベキューコンロの方には
岩塩プレートが置いてあって
既にその上でアスパラと
ししとうが焼かれていて
「もう、飲むのか?」
「いいじゃん」