第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
部屋に案内をされるのに
松代の後ろを歩きながら
杏寿郎はぼんやりと考えていた
あのビールを作った人物は
恐らくにみくりの同級生で
所謂 元カレと言う奴だろうな
あの顔を見れば 丸わかりだし
それに 多かれ少なかれ お互いが
嫌いになって 別れた訳でもないのは
何となくに察してしまったんだが
「こちら、バーベキュー専門の
売店になっておりまして、
単品でのお肉や焼き野菜等の
販売やタレなどの販売もしておりますので。
備え付けの備品、ダッチオーブン
スキレット等のレンタルのご準備も
しておりますので、不足御座いましたら」
そう言えば さっき
車から 荷物を降ろしたが
バーベキューコンロも
ダッチオーブンもスキレットも
かさ張って重い様な物……
無かったな うん 無かった
「ああ、炭は持って来たんだけどね。
ここは手ぶらバーベキューだから。
頼んだら火起こしもスタッフさんが
してくれるんだよ」
「網の交換も賜りますので
お気軽にフロントまでどうぞ。
お荷物の方、専用のバーベキュー
スペースに運んでございますので」
そう言えば こっちに
直接送ると言っていたか
「ねぇ、真希ちゃん」
「はい、何でしょう?」
「真希ちゃんさ、ヤマメに串打てる?」
「ええ、こちら、春からお子様限定で
ヤマメとアマゴつかみ取りの方
あちらの方でしておりますので。
ヤマメに串は打てるけど?」
「だったら、教えてあげてこの人に
あ、でもまだ締まってないんだよ。
多分生きてるの見せたくて
そのままなんだろうけど、氷でいい?」
そう言いながらみくりが
クーラーボックスを松代に渡して
別のクーラーボックスから
ロックアイスを出して来る
「うん、いいけど。ねぇ、これ
もしかしなくても、天然物?
持留さんのヤマメかと
思ったけど違うんだね。
上条川の、ヤマメか。
っとしまった、すいません、
でしたらこちらとこちら
お預かりして締めて置きます」
案内された トレーラーハウスは
それぞれに独立した
ウッドデッキが併設されていて
そのウッドデッキには
コンテナハウスが設置されている
「ウッドデッキも広めだが
ロゴスとコールマンの焚火台と
バーベキューコンロがあるのか」
「杏寿郎、火起こしてっ」
そう言って炭とバーナーを
ウッドデッキにポンポンと置いて