第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「だからね、水道にしても調理場とか
火が使える場所とかね?
キャンプ場クラスターもあったじゃん?
コロナの出て来た頃あたりにね、
いいアイデアある?って聞かれたからさ。
完全に自分達以外と接触しない
システムがあればいいのかなって」
「要するにコロナ対策を徹底した、
新しいグランピングのスタイルなのか?」
確かに普段からみくりは
コロナの対策に五月蠅いからな
自分が社内に持ち込む第一号にならないが
目標だと言っていたからな
「まぁ、見て貰ったら分かるよ。
ここはさ、まだオープンして
1年半位なんだけどね?」
受付のある建物に入ると
木製のカウンターに女性の
スタッフが一人いて
まぁ客が俺達だけなら
ひとり居てくれれば十分なのだが
「ようこそ起こし下さいました。
トレーラービレッジへ。
総支配人より、お話をお伺いしております」
とまでその女性スタッフが言って
ピタッと動きを止めてしまって
じっとみくりの顔を見て居て
そのみくりの方もその
女性のスタッフを見たままで
お互いの顔を指差すと
「もしかして…、みくりちゃん?」
「やっぱり、もしかしても
しなくても、真希ちゃん?
やだっ、久しぶりっ、高校
卒業して以来っだね、てか
真希ちゃんここで働いてたの?」
「同級生…なのか?」
「はい、松代真希と言います」
「ええっ、松代って事は真希ちゃん
まさかまさか?松代の康ちゃんと?」
真希が左手の指輪をこちらに見せて来て
「そうなんだな、実はね。
私の事は良いけどさ、そちらの方は?」
「初めまして、煉獄杏寿郎と申します。
みくりさんとは、来月辺りに
入籍するつもりでして…」
「ええええっ!聞いてないんだけど?
近い内にって言ってたけど、来月って
聞いてないんだけど?杏寿郎さん?」
まさか 入籍するタイミングを
私に伝えるより先に今言うとか……
いや 日を選んでるって言ったけど
そうか 来月なんだ……
ぽそっと杏寿郎が耳打ちをして来て
「(君的にも、出来る前に入籍…を先に
して置きたいんじゃないかと思ってな)」
「(でも、それまでに
出来てたらどうするのさっ)」
みくりとしては木曜日の夜の
事を言いたいのだろうけども
生憎様 俺には 今はそうならないのは
バレバレなのにな……全く