第13章 銀の流れる川 後編 お相手:竈門炭治郎
「善逸…、すまないがそれは出来ない」
こんなに こんな音をさせておいて
出来ないとはどんな相談なのか
コイツもしかして
自分がその人に欲情してるって
気が付いてないのか?
「どうして?本人に悪い感じがして
気が引けるって意味とか?
いいだろ、それぐらいなら。別に本人に
どうこうしろって言ってないでしょーが!」
「いや、そうじゃなくって……、
俺はそういう事を…」
「はぁああああ?
お前何か、自分でした事無いって言うわけ?」
「こら、善逸声が大きいぞ!そんな事を
大きな声で言うな!恥ずかしいだろうが!」
炭治郎の返答に善逸が
大きな声を出したので炭治郎がそれを
抑える様に言った
おぼこい とは思ってたけど
まさか この炭治郎が そこまで
何も知らないとは……
自分でした事もないのかよ コイツ…
今時 居るんだなそんな奴
「俺達位の年頃なら、
頭ん中そんな事だらけなもんだよ!
俺がおかしいんじゃなくて、お前が異常なの!」
「そ、そうだった……のか」
そうだった……のか
知らなかったぁああっ
俺位の年齢なら
みんな それは知っていて
していて 当然だったのか
俺が おかしかったのか
ガシッと善逸の両肩を
炭治郎が掴んで
「た、炭治郎?」
「教えてくれ、善逸!」
「教えるって、自慰行為のやり方?
それぐらいなら教えてやるけどもさ」
こしょこしょと
善逸が炭治郎にその方法を耳打ちする
「そうか、そうやってすればいいんだな!」
後 それから
おすすめだと
善逸のお気に入りの
艶本も貸してもらってしまって
後は頑張れと背中を叩かれたのだが
それはいいのだが
ひとりで厠の中で
その善逸に借りた本を見ても
そんな感情が不思議と起こっては来なくて
それどころか
その本に書かれている事は
どうにも俺には生々しくて
受け入れ難いと感じてしまって
ムカムカとした
吐き気のような感覚を覚えてしまって
気分のいい物ではなかった
俺は やっぱり
どこかおかしいのだろうか?
その本の女の人の裸体よりも
あの時見た
みくりさんの裸体ばかりを
思い出してしまって仕方なくて
ああ みくりさん
凄く 綺麗だったなぁ……