第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「で。俺が今日、お前に食べて欲しいのは
こっちな、こっちのハウスのミニトマトだ。
まだ、新しく取り扱い始めた
品種のミニトマトでな」
そう言って案内されたハウスには
同じ様に培養液だけで育っている
ミニトマトがあって
ぶどう畑に来たのかと勘違いするような
小ぶりの紫色のミニトマトが
ブドウの房の様に鈴なりになっている
「わぁ、紫のやつだ。
ピカピカしてる、美味しいの?」
「プチボンバイオレットって品種なんだが、
早生の、小ぶりで甘い。でも
肥料を調整すれば、大きくも出来る」
プチっとそのなって居る
艶やかな紫のミニトマトを取ると
口の中に入れる
「うん、確かに甘いね。
でも、このピカピカの色の
ミニトマトがサラダに入っていたら
色味が目を引くし、いいよね」
そう言いながらも次のを取って
もぐもぐと口に入れて行く
「でも確かに、小さいけど
房ごともって、ぶどうみたいに
して食べたいかも?」
「房ごと?」
「だって、ぶどうみたいじゃん。
小さくてかわいいし、色も綺麗だもん。
このまま出した方がぶどうみたいに
見えるじゃない?可愛いよ」
「よし、そうだな。前まで
同じ種類の違う色と3色の
カクテルにしてたんだが
房ごとの販売も考えてみるよ」
「でも、私はこれじゃなくって。
赤い普通のやつが欲しいの」
そう言ってみくりが
赤いミニトマトが欲しいと訴えて
「アイコは?」
「やだ、長いもん、丸いの」
「千果は?」
「ええ?普通」
はぁっと叔父さんがため息を付いて
「なら、味も形もお前が
納得いくやつな、こっちだ」
そう言って あるハウスの前に
移動して 中に入る様に促して来た
キラキラと光沢のある
ハート型をしたミニトマトが見えて
「何これ?可愛いっ。ハートだ
んっ、凄い甘いねコレっ」
「形も可愛いし、
味もスイカ並みの甘さだ」
「ハートの入れ物に入れて売って欲しい、
ハートの入れ物で並んでたら、買っちゃう。
これくれるの?でも甘いな…、焼きたいから
ピッコラ頂戴。これはそのまま食べるけど
ピッコラ貰って行くよ」
「ああ。あれか、あれは
炒め物とか加熱に向いてるからな
好きなだけ持ってけ。俺は
そろそろ仕事に戻るからな。
成瀬のトコに白子売りつけて来る」
そう言って背中をこちらに向けて
後は勝手にしろと言う事の様だ