第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
再び車に乗り込む為に
みくりが自分靴に
履き替えると車の方へ戻って来て
「みくり姉、コレ。
持って居てって。ご注文の品、
これ作るのも動画にしたからさ、
色々入ってるから、使って」
そう言って段ボール箱を
辰巳が差し出して来て
みくりがそれを受け取る
「ありがとう、辰巳くん。
ありがたく、早速に使わせて貰うね」
「すいません、こっちの
都合のいいばかりに、早くから
お邪魔するだけお邪魔して。
何も話らしい事もせずに。
お構い頂くばかりで、
色々とお世話になりまして、
ありがとうございました」
お礼を言って杏寿郎が
見送りに出てくれている
みくりの親族に頭を下げる
「まぁ、何て爽やかな
礼儀正しい好青年なのかしら?
みくりちゃんには、勿体ないわ。
ホントに、うちの口の悪い、
お嬢ちゃんとは大違いね」
「いや、ばあちゃん、ほとんど
ココで育ってるからね?私っ、
おばあちゃんとおじいちゃんの所為な
部分もあると思うんだけど?」
そう言って見送られて
車で走り出して
10分ほどで 割合大きな駐車場を
持っている その持留さんとやらが
経営している川魚の釣り堀についた
「アマゴとニジマスなら
あちこちにあるでしょ?釣り堀。
でも、ヤマメは養殖して
育てるのが難しい魚だから、ヤマメの
釣りが出来る釣り堀は珍しいんだよ。
持留さん所の釣り堀はね、私が
小さい頃はさ、ホント、釣って
火だけあるから串だけ打ってくれる
ようなスタイルでね?
後は好きに焼いて食えって、
そんな感じだったんだよ」
昔ながらの釣り堀にありがちな
好きに釣って
好きに食えのスタイルだろうか
「でも。持留のおじちゃんの代になって
おじちゃんのおじいちゃんからの
釣り堀だからさ、施設が老朽化しててね。
思い切って、リニューアルするってなった時に、
丁度、成瀬さんとうちのおじさんと
持留のおじちゃんも同級生だったから」
「もしかして…なのだが、君がまた
そこにも絡んでる…のか?
だとしたら、今はそこは経営は
上手く行ってるのか?
それで、営業時間外でも対応する…か」
駐車場から
まだ閉まって居る門を無視して
みくりが裏手へと続く
細い道へと入って行く
「裏が、養殖場だから。凄いよ?
おっちゃーーーぁんっ、お邪魔しまーすっ!」