第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「椎茸、採った後に~、
原木コンコンって叩くんだよ。
煉獄サン、やっぱ都会の人ッじゃん」
「確かに、俺は椎茸は幼少期に
幼稚園の遠足で椎茸狩りに
行ったぐらいの記憶しかないが……」
「椎茸の原木は
一度収穫し終わった後も、
叩いて刺激を与えたら、
椎茸が生えて来るんで。同じ原木から
何度かは収穫できるんです。
原木に菌が植えてあるのも、
ホームセンターで買えますよ」
そう慎司の説明の足りない部分を
辰巳が説明して来て
全部収穫していいと言われたので
その組んである原木から生えていた
椎茸を合計で50程収穫した
その後の原木を慎司がリズムよく
コンコンコン……と
10回ずつ叩いて行く
「ポケット叩けばじゃないけど、
椎茸の木10回叩けば、収穫量が
増えるってさ。ネットで見つけてさ。
ハンマーでたたくんだけど、
今はハンマー無いし、
適当でいいっしょ?」
椎茸を収穫して
山フキを収穫して家に戻ると
別の車が止まっていて
乗って来た車が邪魔をしていたので
「すいません、邪魔な場所に
車を停めてしまって。すぐに移動させます」
車の前に居た老夫婦の男性に
杏寿郎が声を掛けた
「気にしなくていいさ。家は
なんぼでも車止められっからよぉ」
「じいちゃんっ!ってその恰好
じいちゃん釣り、行ってたの?」
「おお、みくり。この前は
麦焼酎、送ってくれてありがとよ」
「えっと、おじいちゃんとおばあちゃん。
この人が、私が結婚するって話
してた、煉獄杏寿郎さんね」
どうやら車の前に居た老夫婦は
みくりの祖父母だったらしく
紹介されてその2人に頭を下げた
「あ、ちょっと待ってて。
お土産あるんだよ?今出すから」
車のトランクを開くと
ケーキの箱を2つ出して来て
「まず、これが、おばあちゃんと、
辰巳くんが好きな、あそこのチーズケーキ。
おじさんの印のやつね。解凍出来てると
思うから、今日食べてね。
2つあるから、
1つは辰巳くんへのお礼だから」
はいっと祖母にそれをみくりが
託すと またトランクから
今度は箱入りのビールを取り出して
「はい、こっちはおじさんと
おじいちゃんにね、入れ物が違うけど
中身は普通のスーパードライだから。
はい、これ、アンタ、力余ってるでしょ?」
「へいへい~。
みくりちゃん、俺には?」