第52章 春と言えば…? 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「いや、でかいだろう?」
「だから、ここは
お母さんの実家だってば」
ガラガラと玄関が開いて
2人の若い男が出て来る
「ただいま。慎ちゃん、辰巳くん。
凄い、久しぶり。大きくなっちゃって。
見違えるようだよ、また更に
イケメンになっちゃってるじゃん」
「みくりちゃん。お帰り。
あ、ちわっす。俺、片山慎司って
言います、んで、こっちが弟の」
慎司の隣に居た 辰巳が
ぺこっと杏寿郎の方へ頭を下げると
「初めまして。煉獄さん。
父の方から、
お名前の方はうかがっております。
いつも、みくり姉が
お世話になっております。
片山辰巳と申します」
「っと、こちらの方から先に
ご挨拶をするべきなのに、申し訳ない。
どっちも片山君だから、ややこしいか。
俺は知っているとは思うが、
煉獄杏寿郎と言う、みくりさんとは
近くに結婚する募りにはしている」
「煉獄サン。俺の事は慎司でいいし。
こっちも辰巳でいいじゃん」
兄と言ったか 慎司の方は
年相応と言った感じのフランクな感じで
その兄を反面教師にしたのか
弟の 辰巳の方は
年齢よりも随分と落ち着いて見えるな
それにしても 二人共
「似てる…でしょ?顔。
こっちにいる時は普通に、
近所の人に姉弟だって思われてたから。
その度におじさんが、こんな大きな
娘が俺に居る訳ないって怒ってたけど。
ねぇ、おじさんは?」
出迎えてくれたのはそのいとこのふたりで
おじさんは留守の様だった
「父さん?父さんだったらもう、
先に行ってる、今年は裏年だからって
先に行って探してるんだと思うよ?」
「そっか。だったら、
探しに行かなくちゃ。
ふたりもジャージって事は
もしかして、手伝ってくれるって事?」
「そうそう、沢山掘れたら、
成瀬さんトコに、
売りつけるって言ってたからさ。
みくりちゃんも、行こうぜ?裏山」
そう今度は慎司が言って来て
家の後ろに見えている山を指差した
「いいのか?
山に生えてるのを勝手に採っても」
「怒るも何も、こっちが怒る方ですから。
あれ、とあっちの山、うちの山です。
煉獄さんも、コレ、使います?」
そう言いながら手に持っていた
普通の鍬とは違う鍬を差し出して来て
「え?私のは?」
「男、こんなけいるなら、
みくりちゃんは探す人、俺等掘る人で」