第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
そのままに拒む間もなくに
後ろから彼にまた 抱かれてしまった
気が付いたら真夜中で
次に気が付いたら朝だった
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金曜日は遅くなるから
残業をして来いと
そうみくりが言っていたので
まぁ時間がある時にと
先延ばしにしていた仕事を済ませて
8時過ぎぐらいに帰宅した
「ただいま」
「お帰り、杏寿郎。
ちゃんと、お夕飯出来てるよ?」
「これ、昨日話してたビール。
プレモルとエビスと、オリオンビール。
それから、サッポロと。
シェアするなら、1缶ずつでいいだろう?」
「ああ。ありがとう。
ビール、買って来てくれたんだ。
あんまり沢山でも、クーラーボックスに
入り切らないよ。それにしても北海道から
沖縄まで、網羅してくれなくても…」
「一番搾りもいいが、エビスもいいぞ?」
「ねぇ、明日はグラスはさ、
流石に荷物になるし持って行けないから。
折角だし、ノニックグラスで。あれ飲もうよ」
食器棚の高い場所にある
ノニックグラスをみくりが指さして
杏寿郎が棚を開くと
上に向けて広口になって
上部に丸みのあるフォルムの
ノニックグラスを二つ
食器棚から取り出して
下で待っていたみくりに手渡した
「ノニックグラスは、
クラフトビールとの
相性がいいグラスだが、
他のビールとも相性がいい。
オールマイティなグラスだもんな」
「色んなグラス、ビールの為に
揃えるつもり?食器棚が
ビールグラスばっかりになるよ~。
エールはワイングラスじゃ
代用できないの?似てるじゃん形」
「俺は、エールビールは
あまり好みじゃないしな。エールは
女性が好むようなフルーティーな
香りで居て、
それでいて深い味わいがあるが。
ゆったりと、その深い香りと味を
じっくり味わうビールだが。あるぞ?
よなよなエール。人気のエールだろ?」
そう言って持っている袋から
夜空に月が浮かぶあのラベルが見えて
「よなよなも買って来てたの?
さっき、言わなかったじゃん」
「いや、その…、前に君が
気になるって言ってただろう?
日本でビールと言うと、一般的に
ラガービールだしな、低温で
長時間、下面熟成。
それに対して、エールビールは
高温で上面発酵させる、まるっきり
正反対の製法だからな。味や香りが
変わって来るのは当然だ」