第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「みくり……、好きだ」
「んっ、やっ…だッ、言わないでッ」
杏寿郎の舌が耳の縁をなぞって
吐く息が鼓膜を揺らす
「好きだ…と言っているんだが?」
頭がその声の熱に溶けてしまいそうだ
怒ってる……のに
怒ってたって事…も忘れちゃって
杏寿郎の熱に溶かされて行く
「んっ、やっ……ん、や……ッ」
「俺を…、
拒まないでくれないか?
みくり、俺を…、
受け入れてくれないか?
正直、そうされるのは辛いからな」
「んんっ、だからッ、ズルいって
言ってるじゃんかっ。杏寿郎が
可哀想な感じに言うのズルいっ」
「それは…理解している。
ズルいのは君もだろう?
謝りたいんだ…、誤解して悪かった。
こっちを、向いてくれないか?」
スルッと杏寿郎の手が
後ろからみくりの頬に触れて来て
そのまま顎に指を添えられる
向かないから無理やり向かせるつもり?
顎の下に添えられた指が
顎を上って来て
みくりの唇を撫でる
キュっと指先で唇を押して
圧を掛けられてしまって
「だって、そっち。
向いたら…する……でしょう?」
「いや、それは違うな」
グッとその状態で
自分の身体に彼の体重が掛かるのを感じて
ギュッと手首を掴んでる方の手に
力が入るのを感じて
「ちょ、え、あの…?
……杏寿郎?んッ、ん゛っ…ん」
顎に添えられていた手で
後ろを向かされてしまって
そのまま唇を奪う様にして塞がれる
身じろごうにも
身体で身体を押さえ込まれてるから
甘んじて彼のキスを受け入れるしか無くて
息を吐くのも許されない様な
吸う事も出来ない様な
激しいキスに 頭がクラクラとして来る
そのキスがそのままに
彼の感情を表しているかの様で
「んんっ、ふ…、
ぅ、んッんぐ……ん゛んーんッ」
「……ふ、は、…みくりッ、
もっと、…ちゃんと、したいんだが?」
この体勢でこの角度でこんなキス
して来て置いて そんな事言うとか
やっぱり杏寿郎はズルすぎるッ
だってもう… さっきのキスで
呼吸は乱れてるし
頭だってぼんやりしちゃってるし
それに……何より 身体の力が
抜けちゃって…
ふにゃふにゃになっちゃってる
ちゅ……と優しく触れてくる
こめかみや頬に落ちてキスにも
身体が反応してしまってるから
「んっ、……はぁ、んッ」