第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「長くなりそうか?」
「じゃあ、かいつまんで話す?」
杏寿郎の問いにみくりが
そう聞き返して来て
手短にでは説明は出来なさそうだった
「うーん、纏めると、私の
おじさんと成瀬さんは一緒に
お仕事をしてたんだけど、
あんまり上手く行ってない時期があって。
その時に家に良く成瀬さんが来てて、
おじさんとその事を相談してたんだよね」
「それがどうなんだ?」
「まだ、途中だってば。
その時に私は、高校生だったんだけど。
私が、テレビ見ながらぼやいてた事に
成瀬さんがヒントを得たらしくてね。
それから、色々とその相談をね……」
「どうして、起業してる人間が
わざわざに、君の様な女子高生に
そんな経営の相談をするんだ?」
納得が出来ないと言いたげにして
杏寿郎が顔を顰めながら言って来て
「だから、この話するの嫌だったんだよ!
杏寿郎の事だから、本当の事話しても
そんな事言うと思ってたもん」
「違う。俺が言いたいのは
そんな話じゃない。どうして
その成瀬さんとやらは、君を
自分の会社に引き入れないんだ?」
とまで言って 杏寿郎は
しまったと思った
が もう聞いてしまった後だった
みくりが物凄い
じっとりとした視線でこっちを
睨みつけるような目で見て居たからだ
「そんな事、自分の頭で
考えたらいいじゃん。じゃあ
分かりやすい様に言えばいいの?
成瀬さんからは、その打診はあったよ。
私が…その、21歳の時にね。
ここまで言えば…、杏寿郎にだって
分かるでしょ?そう言う事だし」
「え。あ…、それは……その。
俺と……、過ごす時間を…
その話よりも優先させてくれた…と言う
解釈をして…いいのか?みくり」
プイっとみくりが
杏寿郎と目を合わせない様にして
もうこれ以上に向けないくらいに
そっぽを向かれてしまって
その反応を見れば
みくりからの答えは
言葉にはせずとも 一目瞭然なのではあるが
「知らないし、答えないし?」
「なぁ、みくり」
「知らない」
「答えてくれても、
…いいんじゃないのか?」
じっとみくりが
下から杏寿郎の顔を恨めしそうにしながら
見上げていて 口を尖らせてくる
「さっきまで、私の事。
疑ってた…、クセに」
「怒ってる…か?
その、怒ってる……よな?」