第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
その日の夕食を済ませて
後片付けをしながら
昨日と同じ様に
後ろから杏寿郎が
ひっついて邪魔をして来て居たけど
もう昨日の今日だし
取立てて気にもせずに
みくりが使った食器を洗う手を
ふと止めて来たから
「ん?お湯張りか?もう今日は
先にお湯張りは押して置いたぞ?」
言われる前にして置いたとでも
言いたげに杏寿郎が言って来て
「そうじゃないのよ、杏寿郎。
銀色のヤツの話。金色のヤツと
赤色のヤツもあるけど?」
「金色??該当するのが多くないか?
プレモルか?エビスの方か?
赤?赤い奴……本麒麟…?」
「ねぇ、銀色がピンクだったら怒る?」
銀色がピンクになってしまったと
みくりが申し訳なさそうに言って来て
「銀がピンク……、もしかして
春限定のパッケージのやつか?
中身は同じだろう?それよりも
俺は、金色の詳細が知りたいが?」
「杏寿郎はきっと、金色の
詳細よりも赤の詳細の方が
嬉しいと思うよ?」
俺が喜ぶ赤の詳細と聞いて
ある物が脳裏に浮かんで来て
「もしかして…と、思って
尋ねるのだが。みくり。
その赤いヤツは、
スプリングバレーか?」
「そうだよ。好きでしょ?
クラフトビール」
ギュウウっと後ろから
杏寿郎が抱きしめて来たから
「痛い痛いッ、力強すぎるッ!」
「いや、まさかスプリングバレーを
用意してくれてるとは思って無くてな
あの、Amazonの限定のやつか?」
「そうだよ、クラフトビール
瓶だと運ぶの重たいからね、
缶の方がいいかなって。
後、前に杏寿郎が飲んでた
あの黒いののえっと、ギネスだっけ?
アイルランドの黒ビール。
あれの缶入りもあったから買っといたよ?」
「みくり、なら、ビールだな!
俺も、別の銘柄を用意しよう。
そこまで来たなら、ビール祭りだな」
「ああ、私が金色って言ったヤツね。
一番搾りだよ?」
杏寿郎が腕組みをしながらああと言って
「そうか、各社のビール飲み比べだな
なぁ、みくり。今日は平日だが
それだけあるなら、飲まないか?」
「んー、ビール?確かに飲んでもいいけど。
何本か冷やしてるんだけど、何がいい?
私が個人的に飲みたくて、本麒麟もあるの」
「いや、一番搾りを貰おう。
あのビールは特別なビールだからな」
そう言って杏寿郎がフッと笑った