第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
コーヒーのドリップが終わるのを
待っている時間にそのみくりが
LINEをしているのを見ていた
いや 別にいつもこの時間は
友人や同僚とLINEをソファの
あの定位置でしているから
いつも通りな光景なのに…な
「杏寿郎、土曜日…楽しみだね!
お天気だといいんだけどなぁ」
「いやに、上機嫌だな。
そこまでの物なのか?その
週末に味わえるって物は」
どちらかと言うと
こんな風にあからさまに
テンションが上がるみくりを
見るのは非常に珍しい
余程 週末が楽しみ…とでも
言った所だろうが
「そりゃそうだよ!
機嫌も良くなるよ~。
好物に好物に、大好物だからね!」
既にみくりの中には
その味が思い出されているのか
うっとりとした表情を浮かべている
LINEの通知音が
自分のスマートフォンからして
みくりが慌ててそれを確認する
「LINEの相手は、そのおじさんか?」
「うん、ちょっと電話してくる。
さっきは中途半端だったから」
そう言ってその場で
相手に電話を掛けている様で
みくりのスマートフォンから
呼び出し音が聞こえていた
「うん、ああ、私。
さっきの事、週末までもう
あんまり日が無いからさ。
うん、そう、その事でさっき
言ってたのがさ、どこか
聞きたかったからさ。うん。
成瀬さんの連絡先教えて欲しいけど?
ええ?でもちゃんと私からも
お礼言って置きたいし、いいの?」
通話をしながらそのまま
リビングを移動して行って
寝室の方へとみくり向かって行って
バタンとそのドアを閉めてしまった
この時間からコンビニ行って来るとか
言ってわざとらしく出かけられるのも
それはそれで 気に掛ってしまうが
部屋を移動されてしまったら
しまったで 気に掛ってしまう
みくりの事だから
その好物と好物と好物を
より美味しく食べる為の算段を
そのおじさんとしているのだろうが…
はぁっと杏寿郎がため息をついて
「…俺は、これじゃあまるで
子供……、みたいだな……全く」
寝室のドアの向こうからは
楽しそうに話をするみくりの
声が漏れ聞こえて来るし
コーヒーのドリップが終わって居たので
カップを持って ソファへと移動すると
グイっとそのカップを傾けた
いつも通りに淹れた
いつものコーヒーの