第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「ホラ、今はアサリの時期でしょう?
白ワイン、開いてるのあったから
白ワインとバターで酒蒸しにしたんだよ?」
テーブルの上には
IHのコンロが置いてあって
既に鍋の汁に火を入れてあって
白菜やら白ネギの
野菜が入れられていて
その鍋の隣には
大皿に山盛りになっている
生のわかめが見えたので
「みくり!今日は、アレか」
「うん、そうだよ。
わかめのしゃぶしゃぶね。
今は生わかめ売ってるからね。
わかめ茹でるだけなのに、どうして
こんなに美味しいんだろうね?これ。
ぬる燗がいいかな?今日はむき身の
牡蛎と、豚肉ね。手洗って来て」
生わかめのしゃぶしゃぶって
売ってる生わかめ適当に切って
サッと茹でて 食べるだけなのに
犯罪的な美味しさだもんな
杏寿郎も茎わかめには全く
興味はないけど生わかめの
しゃぶしゃぶは美味しいって言ってるし
「後ね…、今日は生のホタルイカ
売ってたからさ。一緒にしゃぶしゃぶ
するでしょう?ホタルイカも」
「あるのか?」
洗面所の方から杏寿郎の
声が聞こえて来たから
「うん、今日は生のが売ってたからね。
だったら、勿論、今日は日本酒だよね?」
スーツからラフな室内着に着替えて
杏寿郎がリビングダイニングの
テーブルの前について
ぬる燗を信楽焼のぐい飲みと
一緒にテーブルの上に置いた
黒と艶やかな光沢のある青の色味が
あまりにも綺麗で
思わず買ってしまった 湖鏡と言う
信楽焼の中でも黒土を使った焼き物の
酒器とぐい飲みのセットだ
安い日本酒でも これで飲むと
一気に高級な日本酒みたいに
なってしまう 魔法のぐい飲みだ
「うん、いい色だな」
「これも買って良かったよね、
卓上の温度調節が出来るやつ。
ぬる燗も熱燗も温度これ任せだし」
「もう、今はAmazonにも取り扱い
してない商品だからな、買って良かった」
ぐい飲みにぬる燗を注いで
杏寿郎の方に手渡すと
杏寿郎がぐい飲みを持ち上げて
こちらに見せて来たので
みくりも自分のぐい飲みに
ぬる燗を注いで
お互いのぐい飲みで乾杯をする
ある程度食事とぬる燗も進んで
少し酔っているのか
上機嫌な様子で杏寿郎が話始めた
「贅沢…だな、美味い物を
美味い時期に、美味い食べ方で
食べられるって言うのは…」
「何それ?もしかして褒めてる感じ?」