第51章 春と言えば…? 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
2022年 4月13日
何てことの無い水曜日だった
仕事を終えて 帰宅すると
中からみくりが誰かと
話をしている声が聞こえて来て
ただいまと言うのを止めて
その声に杏寿郎が耳を澄ませる
誰か来ているのかと思ったが
玄関にはその誰かの履物は無くて
電話をしてる様だった
『うんうん。ええっ、ああ、
確かにね、そうなんだけど…うん、
え?今週末に??あー、どうだろう?
聞いてみないと、わかんないけど』
随分と口調が砕けているので
親しい相手であるのは確かの様だ
『うん、うん。ええっ、それは
行きたい!うん。ねぇ、ちょっと
お願いしたい事あるんだけどさ、
うん、そうそう、またLINEするから』
相手の名前らしい事でも
言えば相手が特定できそうだが…
みくりの会話の相手が
まだ杏寿郎には掴めずにいて
『ねぇ、慎ちゃんと、辰巳くんは?
うん、元気してるの?
もう、長い事会ってないからさ。
ええ?ああ、あの2人はそうじゃないの?
元々、顔良いからさ。そりゃモテるでしょ。
あ、電話切るね?うん、だってそろそろ…
帰って来ると思うから、うん、分かってるって』
慎ちゃんと辰巳くん…?
誰だ?下の名前で呼ぶくらいなんだろうが
『ええ?あ…え、そんな事も
してくれてるの。ああ、あの人か
そんなジャンルにも手、出してるんだ。
相変わらずだねぇ、成瀬さんも。
うん、分かったって、ちゃんと伝えとくから
じゃあ。またね?切るからね』
相手はまだ話したそうにしてるのに
みくりが容赦なく通話を終了させて
スマホをキッチンのカウンターの上に置いた
「あ。杏寿郎お帰り。帰ってたんだ
戻ってたんなら、
声掛けてくれたら良かったのに」
「ああ。ただいま」
さっきの通話の相手を杏寿郎から
聞き出そうかとそう思案している時に
先にみくりの方から話を始めて
「ねぇ、杏寿郎。今度の週末
ちょーっと私に早朝から、
付き合って欲しいんだけど?」
「早朝?それは何時位だ?」
「うーんとね、
そうだなぁ、ここからだったら。
あそこまで行くのに、40分強掛かるから
五時半とかかな?朝がいいの。
でも、絶対早起きして損させないから
良かったって思えるからさ」
週末に5時半に起きて
ある場所へ行きたいと
そうみくりに提案されてしまった