第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
「12本…だけど、
どうして、12本だってわかったの?」
ニコニコと目の前の母親が笑顔になって
「そりゃー、お母さんだって
みくりちゃん、位の年の頃はねぇ。
何人かの男性から、12本の花束を
貰ったりしてたもの~。意味ぐらいは
ねぇ?知ってるわよ~」
その母親の笑顔の理由が
分からないままで居ると
トントンと瑞葉がみくりの
肩を叩いて来て
12本の花束の意味の検索結果を見せて来る
ジッと母親の視線がみくりの
頭のチューリップに注がれていて
「ねぇ、もしかして…
今日って一条フラワーセンターに
デートだったのかしら?
丁度、今月はあそこはチューリップ祭り
してるもんね。お母さんも、
奥さん達と何度かお花好きだから
フラワーセンターには行った事あるけど」
そうそこまで言って言葉を区切ると
みくりの耳元に
自分の口を寄せて来て
みくりにしか聞こえない声で
囁きかけて来て
「(確か、あそこのお花売り場って
お願いしたら、オーダーメイドで
花束の注文も受けてくれたはずよ?)」
え?じゃあ これ
売ってたやつを買って渡したんじゃ
ないって事…っ
「ええっ、じゃあ…この花ッ」
「だから、お母さんは。
最初から煉獄君はそのつもりで
貴方をあそこに誘ったのかなぁ~って
そう思ってるんだけど。違うかしら?」
「でも、そんなの…分からないしッ」
さっきの車での
やり取りを思い出してしまって
つい返答を適当に濁してしまった
分からないと言いつつも
そう言う関係で デートをしたいと
そう申し出をされてしまったのは事実だし
「あら。分からなくもないわよ、
簡単にそれを確認する方法なら
あると思うなぁ~。お母さんは」
「確認する方法ねぇ。
我らの母親ながらに、
知られざるを見た気がするわ」
瑞葉の言葉に母親がむっと
顔を顰めるが すぐにいつもの顔になると
「今日のデートで、次に会う
約束はしてるのかしら?
勿論、してるわよね?みくりちゃん。
あら、いいのよ?答えなくても、
その顔を見たら、わかるから。
さ、部屋に戻りなさい。花瓶は
後でお水入れて持って行くから。
そろそろお家に着いてる頃だろうし、
お礼のLINEが来る頃じゃないかしら?」
そう母親に部屋に戻る様にと促されて
上着を姉に返して部屋に戻った