第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
杏寿郎が会計を済ませた
サボテンが入った袋を
みくりに手渡して来て
みくりがそれを
頭を下げながら受け取った
「サボテンが好きなのか?」
「これだったら、
枯らす方が難しいですから。
それに、コロンとした見た目も
可愛らしいですし」
「ああ。そうだ…それから
違うレジに並んだからだったからか
また、貰ってしまったんだが」
そう言って今度は
赤い八重咲のチューリップを
更にみくりの髪に差して来て
「私の、頭が花盛りに
なってしまってますね。
いいんですか?その……」
「俺は、君みたいに
チューリップをどうこうしたりも
出来ないからな。さて…あまり
遅くならない内に帰るか」
ゲートをくぐって出ると
駐車場に停めたあった
杏寿郎のハリアーの助手席に乗り込んで
シートベルトを締めた
この杏寿郎さんのハリアーの
助手席にもきっと
ついこの間まで 誰かの特等席だったりとか
したんだろうなぁ…とかって
行きの車の中では考えて居なかった様な
そんな事をぼんやりと
窓の外の景色を眺めながら考えていて
「もしかして、疲れてるとかか?
結構広い敷地だったからな、
戻ったら声を掛けるから、
少し休んで貰っても構わないが?」
「いえ、大丈夫です。疲れてませんから。
ぼんやりとしてしまっていただけなので。
運転して貰っているのに、
私だけ休むなんて出来ませんし…ッ」
ちらっと運転をしている
杏寿郎さんの横顔を見ると
信号待ちになって
こちらを向いた
杏寿郎さんと目が合ってしまった
「ん?どうかしたか?」
「いえ、今日はありがとうございました。
こんな風に出掛けるのも、
久しぶりだったので。楽しかったです」
「なら、また、出掛けよう」
「あ、でも…、いいんですか?」
信号が赤から青に変わって
杏寿郎は前に視線を向けたままで
みくりの言葉への返事を返して来た
「みくりさんが、いいのなら。
またこうして、どこかへ2人で
出掛けたい…と、そう思っては居るが」
「はい。バラ園も楽しみにして居ます」
そう杏寿郎の言葉に
みくりが返したら
「そういう意味の出掛けたい…、
じゃないんだがな、俺としては」
「そういう意味…じゃないと?
言うのは…一体…どう言う」
「デートと言う意味でなら…だが?」