第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
「そうですね、折角ですし。
お水を掛けて、願掛けもしましょうか」
置いてあった柄杓を
杏寿郎が手に取ると
こちらに向かって差し出して来て
それを受け取ると
2人で滝から流れる水を汲んで
その地蔵に水を掛けて
手を合わせた
柄杓を元の場所に戻すと
また手を差し出されてしまって
そのまままた 元来た道を
彼に手を引かれて戻る
「お願い事…、叶いますかね」
「どうだろうな。まぁ
信じる物は救われると言うからな」
いつの間にか その段差のある
日本庭園のエリアは抜けてしまって居たけど
手…まだ 繋いだままだ
離して下さいと言うのも…変…かな?
でもずっと 繋いだまま…とか
「ああ。すまない、もう
段差のあまりない場所まで、
来てしまって居たな」
その後は
胡蝶蘭やサボテンや
食虫植物が展示されている
温室を見たり
バラの様な花をつける
ベゴニアと妖精がカラフルな
ドレスを着ている様な花をつける
フクシアの温室を見たりして
大きな園内を一周して
元の入口へと戻って来る
「折角だから、お土産屋と
花の販売所でも見るか?」
「そうですね。折角ですし」
そう言ってお土産屋さんに
一緒に入ったまでは良かったが
それぞれに気になる物があって
別行動していると見失ってしまって居て
その姿を見つけた時には
すでに何かを購入した後の様で
お土産を購入して
また貰ってしまったからと
黄色い八重咲のチューリップを
頭のピンクのチューリップの
隣に追加されてしまった
「ピンクもいいが、黄色も似合うな。
どうだ、いい物はあったか?」
「あ、はい。サボテンの寄せ植えが
あったので、これにします」
みくりの手の上にあった
小さなサボテンの寄せ植えの
ブリキのバケツを
杏寿郎がヒョイと持ち上げると
そのまま持って行ってしまって
「あっ、ちょ…自分で
ちゃんとレジまで運べますからっ」
「ははははッ、遠慮しなくていいから。
今日、付き合って貰ったお礼だ。
払わせてくれ」
「えっ、大丈夫ですよ?
お金自分で、払いますからっ」
ニコッと杏寿郎が笑顔になって
「今日の、君の時間を頂いた、
支払いだから気にしなくていいぞ?」
そう言われてしまって
これ以上食い下がるのも悪いので
そのまま 買って貰ってしまった
「ありがとうございます…」