第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
とそこまで話した所で
『すいません、失礼いたします。
こちら、セットのスープと
サラダになります』
注文していたランチセットの
サラダとスープが運ばれて来て
サラダの乗ったお皿の中は
お花畑になっていて
野菜の緑とミニトマトの赤に
紫や黄色 ピンクの鮮やかな
花の色がプラスされている
「料理は見た目も重要と言うが…。
これは、中々に見事だな。
一条市にも、食用の花を
栽培してる農家がある事も知れたし。
今日は中々に収穫が多い一日だったな」
「でも、何かで人は目で
食べていると言うのを見た事があります。
でも、目に美味しいと言うのは
今、感じています。まだ食べてないけど。
自分の気持ちが、満足してるのは
感じてしまって居るので」
エディブルフラワー自体には
味らしい味がある物じゃないけど
この鮮やかなお花を食べていると言うのは
いつもの生活ではあり得ないし
特別な体験をしてる気がするのは確かだ
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ーー
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昼食を済ませて
午後もまだ見て居なかった
フラワーセンターの内部を
2人で見て回った
大きな池のある日本庭園のあるエリアには
アジサイの木が沢山あって
菖蒲園と隣接して居て和のテイストだった
「この辺りは、5月6月が
見頃になりそうだな」
「見て下さい。凄い大きな
鯉が居ますよ」
池の中を指さしてみくりが
呼び止めて来て
緑に濁った水に中に杏寿郎が
目を凝らして見るが
「どこだ?」
「あっちです、あそこ
あっちの大きな岩の辺りですっ
金色のやつですよ。凄い大きいんです」
視線の先を辿る様にして
同じ方向を見ていると
ある事に気が付いた
すぐ 隣に 杏寿郎さんの顔があって
距離ッ 凄い……近いっ
「ああ。あれの事か!
確かに、あれは凄い大きいな、
ここの池の主かも知れんな」
もう 鯉は私の目には見えて無くて
嬉しそうにその鯉を見てる
杏寿郎さんの横顔ばかり見ていた
こちらに向き直った
杏寿郎さんと目が合ってしまって
思わず慌てて後ろに下がろうとして
小石に足を取られて
そのまま転びそうになったのを
「きゃ…ッ」
「危ないっ」
グイっと腕を捕まえて
身体を引き寄せられてしまって
その身体に寄りかかる様に
支えられてしまった
ドキドキと自分の心臓が騒がしい
「っと、大丈夫…か?」