第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
「ああ、いえ、大丈夫です。
それにしても、
似合うんじゃないかなぁって
思ってましたけど。
着て来られたみたいに
お似合いですね、煉獄さんに」
「ああ。この髪の色のせいで
あまり日本人らしくないと
言われる事も多いしな。でも
男性用は普通のスーツの様だな」
そのまましばらく
オランダエリアで写真撮影と
ちょっとした散策を楽しんで
元々の服に着替えて戻ると
先に着替え終わった煉獄さんが
こちらに気がついて手を振って来て
「すいません、お待たせしてしまって」
「じゃあ、見て回るか」
その手にさっきのカゴにあった
ピンク色のチューリップが1本
あるのが見えて
「ああ。これか?
先程のスタッフの人が、
今日衣装を着た人への
特典のサービスだと言って貰ったんだ。
長い茎のままだったから切って貰った」
花瓶に入れるには
随分と茎が短いイメージだけど
スッとみくりの耳の上にその
ピンクのチューリップを挿して来て
「俺が思うに…だが。
小野寺さんには、ピンクが
似合うな。春の色だ」
「そっ、それはきっと
ありがとうございますって
言う所なのでしょうが。
その、このまま歩くのは、ちょっと」
それなら心配要らないと
杏寿郎が園内を歩いている女性を指さすと
「今日は日曜日だから、チューリップ
祭りのイベントで、売店を利用したり。
花の苗を購入したりすると。
それぞれの別の品種の花が貰えるらしいから」
自分以外にも頭にチューリップを
挿している小さな子供から
私より年上の女性や奥様集団まで居たので
自分だけじゃないなら
このまま歩いていても違和感もないし
「あ。本当だ。確かに…他にも
頭にチューリップを付けてる人居ますね」
それから 園内を目的地である
一条畳ミュージアムに向かって歩く
その整えられた道にも
チューリップのプランターが並んでいて
定番の 赤や白や黄色やピンクの
良く見るチューリップや
小さな背の低い物
スッとしたシルエットの物や
ギザギザとした花の物
八重咲の物や様々なチューリップ達が
満開で盛りを迎えていた
黒に見える様な
紫の濃いい色味や
緑に近い様な色の物もあって
「色々なチューリップがあるが、
貴方のそのチューリップが
一番綺麗に見えるな」
桜の花ような
淡いピンク色のチューリップ