第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
『はーい。ばっちりです。
撮影しますね、3・2・1』
『じゃあ、次はこっちで撮りますので
姿勢そのままで、はい、チーズ』
スタッフの人から
預けていた自分のスマホを受け取って
「なかなかいい感じに、撮れてるな。
俺の方の画像もLINEから送ろう。
そっちの画像も、送ってくれる?」
「あ、でも…良かったんですか?」
煉獄さんがLINEから
自分のスマホの方の画像を
送って来てくれて
自分の方の画像も煉獄さんに送った
「良かったって?ああ、それを言うなら
貴方の方こそ、良かったのか?
この画像を彼氏にでも見られたら、
浮気を疑われたりするんじゃ…。
まぁ、何かあったら弁明はさせて貰うが」
「そんな、心配必要ないので。
煉獄さんに弁明して貰う必要はないで…す」
フッと影が降りて来て
煉獄さんが距離を
身体一つ分詰めて来ていて
「なら、そうする必要がある相手が
今は、居ないと言う。
その解釈でいいだろうか?」
「そんな相手が居るんだったら、
最初から今日、ここに来たりしませんよ。
煉獄さんの方こそ、良かったんですか?
その…、彼女さんとかと来た方が」
「今は居ないんだ」
今は? 別れたばっかりとかかな?
その杏寿郎の言葉の意味が
他にも取り様がある様な
そんな含みのある物に聞こえる
「勿体ない…ですね」
「勿体ないのは、同じじゃないのか?」
「煉獄さんは勿体ないですけど、
私は全然。勿体なくないですよ。
あ。あっち、花壇も沢山咲いてますね」
その一角はオランダをイメージしている様で
小さなレプリカの風車がチューリップの
花壇に取り囲まれていて
ここだけ オランダの様な異国の
空気感を出していた
風車の前で父親が
オランダの民族衣装を着た
娘を凄い褒めちぎりながら
写真を撮りまくっていて
あっちの奥の方では
2人組の女性が同じ民族衣装で
お互いに写真を撮り合っていて
「気になるか…?あそこで
レンタル出来るらしいぞ」
そう言って小さな小屋を指さして来て
『オランダの民族衣装、
フォーレンダムで、チューリップと
写真撮影。園内散歩如何でしょうか?
どうです?フォーレンダム。
サイズもデザインも豊富ですよ?』
そう言いながら手元の
見本の衣装のアルバムを
パラパラとめくって見せて来て
『オランダエリア内、15分でしたら』