第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
また この先も煉獄さんに
連絡する用事が出来たと言うか…
会える口実があると言うか…
これじゃあ まるで
私は…
一旦会話が途切れて
チラッと運転席から杏寿郎は
助手席に座っている
みくりの方を見た
流石にこうも都合よく
次から次に依頼をしていたら
いい加減に怪しまれるだろうか…?
「花は好きだろうか?」
「嫌いな人はあんまり居ない
んじゃないですかね?
一条フラワーセンターは
通年花が楽しめるけど、
特にこの時期の
チューリップが有名ですもんね」
そんな話をしている内に
目的地の一条フラワーセンターに着いた
駐車場は人気のチューリップの
シーズンなだけあって賑わっていて
入場券の売り場にはちょとした列が出来ていた
学校の課外授業の下見と
言っていただけの事はあって
学校法人向けの優待券があるからと
そのままその券を渡されて
入口のゲートへと向かった
「まぁ、優待券で無料だとは言えど。
市営のフラワーセンターだから。
入園料もたかだか知れてるがな」
ゲートで園内マップを受け取って
くぐった先に既に
色とりどりのチューリップの
プランターが並んでいて
プランターごとに品種が異なる様だった
入った所のすぐの広場に
ピンクのチューリップのプランターを
ハート型に配置してある
記念撮影のスポットがあって
カップルや夫婦がそこで
思い思いに写真を撮って居た
『お二人もご来園の記念に
一枚如何ですか?スタッフが
お二人のスマートフォンで
撮影の方、させて頂きますので』
『チューリップ、今、丁度
見頃ですから。どうぞどうぞ』
と後ろから位置取って来た
男性のスタッフさんに
後ろから圧を掛けられてしまって
そのまま 撮影場所まで連れて来られて
いや 正確には連行されてなのだが
『カメラ起動して頂いて、
お預かりいたしますねぇ~。
あ、もう少し、寄って頂いて。
あ、はい、もう少しいいですか?』
『折角のチューリップも一緒に
入れたいので、もう少しお願いします』
正面と左右からもっと距離を寄せてと
そう言われてしまって
どうしたものかと思っていると
「小野寺さん。すまない、
少しの間だけ、我慢して貰えるか?」
そう隣の煉獄さんが囁いて来て
グイっと肩に手を回されて
身体を引き寄せられてしまった