第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
どうやら 姉の瑞葉には
真夏の海老天さんに
心当たりがあるらしく
「真夏の海老天…って、
瑞葉ちゃんの同級生の
煉獄杏寿郎君の事かしら?」
「ああ。それだ!ソイツだ。
思い出したっ。煉獄君の事?」
「ねぇ。瑞葉ちゃん。
そんな事言うって事は、
みくりちゃんの
デートの相手は煉獄君って事かしら?」
2人の視線が注がれて
「いやっ、あの…、
一緒に出掛けるだけだからっ
付き合ってるとかじゃないからっ」
ガシッと母親がみくりの手を
両手で握りしめて来て
「あの子なら、間違いないわ。
しっかり、頑張って来なさい」
「あ、あんた、その恰好だと
寒いでしょ?特別にお姉様の
コレ貸したげるから」
そう言って自分の部屋から
ネイビーのマウンテンパーカーを
取って来てみくりに
袖を通す様に促して来て
「うん。ありがとうお姉ちゃん」
「妹よ。健闘を祈る」
と玄関先で瑞葉に敬礼されて見送られた
お姉ちゃんもお母さんも
海老天さんこと 煉獄さんを
知っている様で
そんなんじゃないのに
過度な期待をされてしまって
足取りも重く
待ち合わせ場所に指定した
公園の駐車場へと向かった
時間よりも早めに着いたけど
運動公園の駐車場には
煉獄さんのブラックパールの
ハリアーが見えて
慌ててその車の方へと駆け寄る
ハリアーの運転席で
スマホを見ていた煉獄さんが
こちらに気が付いて
手を振ると窓を開いて
「すいません、お待たせして
しまっていましたか?」
「おはよう。ああ、良かった。
つい、今しがた着いたとLINEをするか
迷っていた所だったんだ。
今日は、突然に誘って申し訳無かった。
あんな場所に、男一人で行くのは
どうにも場違いな気がしてしまってっと。
どうぞ。乗って。移動しながら話そう」
煉獄さんの車のドアを開いて
お邪魔しますと助手席に乗り込んで
シートベルトを締めた
「それにしても…、
今日はいつもと雰囲気が違って見えるが」
服…確かに今まで適当に
適当してたから
おかしいって気が付くよね?普通に
「あっ、あの…。…変
ですよね?自分でもあんまり
似合わない様な気がしてて」
そう言って不安そうに
みくりが自分の口元を押さえるが
そのネイビーのマウンテンパーカーが
オーバーサイズの所為で 萌え袖になっていて