第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
「宇髄の彼女達…は、
その辺りは五月蠅いらしくてな。
俺を介しての相談をしたいんだが…」
「あ。細かいデザインの
打ち合わせとかそんな感じですかね?
だったらあそこ経由よりも、
LINEの方がいいですよね?」
そう言いながらみくりが
自分のバックからスマホを取り出して
LINEを起動すると自分のQRコードを
表示するか読み取るかを尋ねて来たので
杏寿郎も自分のポケットの中から
スマホを取り出して
自分のLINEのQRコードを表示させると
みくりがそれを撮影して
LINEの登録を済ませた
「でしたら、ご希望の感じとか…
お知らせ頂いたら、こっちから
イメージの画像を送りますので」
まぁあくまで 今の
やり取りからすれば
小野寺さんからすれば
副業とは言えど仕事の依頼の
必要に迫られての連絡先交換なのだから
ザアッとこの季節らしい
強い風が吹くと
ブワッっと白い雪の様に
舞い上がっては 降って来る
春の色の 雪が ヒラヒラと落ちて来て
「ああ。どうにも貴方は、花に
好かれる人の様だ。小野寺さん」
さっきの桜吹雪が
私の髪の毛に引っかかっていたらしく
煉獄さんが私の髪に手を伸ばして
引っかかって居た 一本桜の
花びらを取ってくれて
「小野寺さん。俺からも
依頼をしてもいいだろうか?」
「え?依頼でしたら既に…」
今日修理をと預かった物の
デザイン違いを受けているのに
「手を、出して貰っても?」
「こう…、ですか?」
杏寿郎の促されて
みくりが自分の手の平を
彼に向かって差し出すと
彼が私の手の平の上に
持っていた桜の花びらを2枚乗せて来て
「今年の一本桜の中で、
貴方の髪に引っかかった強運のある
桜の花びらだ。これを使って
ひとつ、ネクタイピンを
作って貰いたいんだが?生花は
材料になるのだろうか?」
ドキッと胸が跳ねるのを感じずに
居られなくて
変な意識をしてしまう
今年の桜を…市内で一番綺麗だと思ってる
この桜を残して置きたい…だけなら分かる
「ええ。それは、何度か
した事がありますから、出来ますけど」
目の前のその人が
ニッコリと笑顔になって
「桜は咲いたら、散る物だが…。
不意に留めて置きたくなってしまった。
どうやら俺は、その美しさに…」