第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
体育館の方からこちらに
入学式で壇上に飾っていた
大きな花器を冨岡が運んでいるのが見えて
「宇髄。話は待ってくれ。
冨岡、ちょっと待て、手伝う。
そのまま運んでいたら、
前が見えないだろう?」
杏寿郎が腕まくりをしながら
一人で大きな抱える程の花器を
運んでいる冨岡に手を貸そうとした時だった
ツンっと冨岡が段差に足を取られて
「冨岡、危ないっ!!」
そのまま 派手にその場で転んだ
それを助けに入った杏寿郎と共に
杏寿郎は花器に残って居た水を
全身に被ってビシャビシャになってしまって居て
大きな花器と冨岡の下敷きになっていたのを
宇髄が上から見下ろして来て
「おーい。煉獄。生きてっか?
おーおー、お前、派手に
男前に、水滴ってんじゃねぇかよ?」
「俺としたことが、迂闊だったな。
冨岡、悪いが退いてくれ、
君が俺の上から退いてくれないと
俺は身動きが取れない」
「すまない、煉獄、助かった」
小さく頭を下げると冨岡が立ち上がり
杏寿郎が支えていた花器を受け取った
「いや、俺は、君と花器が無事で
安心したが。弱ったな…下着まで濡れてる」
「まぁ、真冬でなくて良かったじゃん。
バスタオル、持って来るわ。
で、もう、お前帰れよ。俺が話しとくし」
「宇髄。だが、まだ君の話を…」
「ああ、それなら、心配ねぇよ。
LINEしとくから、後で見てくれたらいいし」
何だか良く分からないが
そう言われて 宇随がどこからか
バスタオルを調達して来てくれて
それで身体を拭く
流石に下着まで濡れて
このまま仕事は続けられないので
宇髄の言葉に甘えて
その日はそのまま帰る事にした
後から気が付いたのだが
俺は無傷だったんだが
こっちが無傷じゃなかったらしい
濡れるのは想定外だった様で
四角い赤いネクタイピンの
パーツが綺麗に外れてしまって居て
ふと思い出した
3日の日に 壊れた時の
アフターサービスをしてると
あの時に貰った紙は財布にしまって居たから
その紙に書かれている
ハンドメイドの総合販売サイトに
アクセスすると会員登録しないと
メッセージのやり取りが出来ないらしく
簡単な会員登録を済ませて
小野寺さんに修理を依頼出来ないかと
いう主旨のメッセージを送った
そのまま 車を運転してアパートに戻った