第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
この間のフリマは畳だったが
今回のは長机一つ分が1ブースの様だった
等間隔にコロナ対策で広めに取られていて
若い女性を中心に賑わっている様だった
ったく宇髄のやつは…っと
あの長身だから 人に紛れても
遠くからだって すぐにその銀髪は
杏寿郎の目に留まった
宇髄が興味を持っている店には
宇髄に釣られてなのか
既に数人の客が居て
「おお、こっちのもいいじゃん。
春らしくて。こっちの色もいいな」
その目立つ容姿は
他の客の目を引いている
宇髄がこちらに気が付いて
おーいと手を振って来る
「おーい!煉獄、こっちこっち。
丁度、探してる感じのあってさ」
宇髄のお眼鏡に叶ったのであれば
センスのいい商品を扱っているのだろうが
「宇髄。自分で誘って置きながら
君は少々身勝手が過ぎるぞ?
君の彼女は骨が折れそうだ…」
その長机の上の商品を見ると
宇髄が欲しいと言っていた
桜をモチーフにしたアクセサリーと
それから 見覚えのある赤いピアス
もしやと思って 杏寿郎が
その店の主の顔を確認すると
「あっ!」
と店の主の女性が声を上げて
杏寿郎の方を見ると
「海老天さんッ」
杏寿郎の顔を見てそう言って来て
「すっ、すいませんっ、この前の
あれは…まだ、次の時と思ってたので。
まだ、取り掛かってなくて…。
あの、この前のネクタイピンは
大丈夫でしょうか?持ち合わせの
ボンドでくっつけただけなので。
もしかしたら、外れてしまったりとか…」
「いや、今の所は問題なく使えているが」
彼女が机の手前の方に置いていた
名刺サイズの小さなコピーされた
紙の束の中から一枚紙を取ると
杏寿郎の方へ差し出して来て
「あの時。お渡ししてなくて
申し訳なかったんですけど。これ。
ハンドメイドの通販をしてるサイトに
登録してるんですけど、壊れた時とかの
アフターサービスをしてるんで。
もし、不具合とかありましたら」
「あ、ああ。すまない」
みくりの手から紙を受け取ると
その内容に軽く目を通した
「小野寺 みくりさんと
言うのですか。素敵なお名前だ。
申し遅れましたが、俺は…」
グイっと後ろから宇髄が
杏寿郎の肩に腕を回して来て
「コイツは、煉獄杏寿郎ね。
みくりちゃんって言うの?
名前、カワイイじゃん」