第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
「ああ。あの3人と来なくて
良かったかってやつ?そりゃ
本人達連れて来てもいいけど、
こっそり選んでさ、プレゼントするのも
いいかも知れねぇなって」
車から降りて
まばらにある人の流れの向かってる
方角に杏寿郎と宇髄も歩く
「今日は何か、
お目当ての物でもあるのか?」
「桜…丁度咲いてんじゃん?
その桜の花びらをさ…。欲しがった
事あったんだわ。前にな。だからさ、
桜の花びら、それも散って枯れてしまわねぇ
ずーっと残るやつがさ。欲しくてな」
宇髄がどこか遠くを見ながら
そう言って来て 公園の桜並木に
自分の視線を向けていた
その桜並木を見ている様で
どこか遠くを見ているかの様な
体格に恵まれている宇髄が
儚げに見えてしまって
杏寿郎は思わず目を擦ってしまった
「そう言うのって、ブランドもんとか
そんなんじゃ売ってねぇじゃん?
俺としてはさ、本物の桜の花びらに
近い奴が欲しい訳なのよ」
「それで、ここに?」
「そ。だって今日。桜まつりじゃん?
桜まつりのフリマならあるかと思ってな」
話しながら歩いている内に桜塚公園に着いた
この公園は中央に大きな
芝生のなだらかな丘がある
この丘は 桜塚と地元で呼ばれている古墳だ
保存状態が今一つなので
只の小高いなだらかな芝生の山でしかないが
その 古墳に元々あった大きな
一本桜と古墳を取り囲む様にして
市が植えた桜の木が年月を経て
それなりに成長して見れる位になったので
桜の季節は 市民の
絶好の花見のスポットになっている
元々ある樹齢数百年の大木は見事だし
まだ 植えられた桜は細い木ではあるが
枝垂れ桜を始めとして
白い色味の大きめの花をつける物や
ピンクの濃い色味の物など
昭和桜や衣通姫や高砂 雅と
それぞれの桜の品種が掛かれた
プレートがその幹に吊り下げられていた
そんなに大きくはない その古墳の
周囲をぐるっと取り囲む様に敷かれた
遊歩道に沿って 一周
そんなに長くないコースだが
夜は人気がないから
仕事の帰りにちょっと走りたいと
言う時には持ってこいの場所で
この桜のシーズンはライトアップもしてるから
夜桜ランニングしたりも出来る場所だ
宇髄も白状な男で
お目当ての物がありそうな
店を見つけてさっさと行ってしまった
まぁ 俺も目当てがあると言えばあるが