第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
「これと、これ、下さい」
「私はこっちと、こっちのいちごのやつ」
「すいません、ありがとうございますッ」
それからお客さんが一気に押し寄せて来て
多めにと用意していた商品が
僅か20分足らずで用意していた
商品のほとんどが売れてしてしまった
私がここに来て
2時間経っても全く
売れなかったのに…
「嘘みたい…ッ」
私の畳のエリアを取り囲んでいた
人の輪が無くなって静かになると
向こうから芝生のエリアを
ショートカットして
木工クラフト館からこちらへと
歩いて来る さっきの人の姿が見えて来て
みくりがしまったと思った時には
もう遅くて
「すいませんっ、
実はまだ加工が出来てなくて、
少しだけ待っていただけますか?」
「ああ。別に今日は何もこの後は、
用事もないから待つのは問題ないので」
「お好きなんですか?木工細工」
「DYIでもやってそうに、
見えますでしょうか?
いえ、いつもはここにはジョギングに
来るぐらいで。あそこに入ったのは
今日が初めてでしてね」
そう言っているその海老天の人の手には
木製のオルゴールのついた
写真立てが抱えられていて
「写真立てを、
お作りになられてたんですか?」
自分の作業をしながらも
みくりが杏寿郎に尋ねて
「いえ。これは…生徒達からの
俺への贈り物です」
そう言ってそこに入ってる
写真を目を細めて杏寿郎が眺めていて
「3年間彼等を…、見て来た…。
担任として……っと
すいません、初対面の人に
俺としたことが、ついつい
話し過ぎてしまっていた様だ。」
「つい、初対面の人に話したく
なってしまう程、
生徒さん達のお気持ちが。
嬉しい事だったんですね。
どうですか?こちらのピアス
ネクタイピンに加工し直しましたが。
あ、えっと、こっちの残ってる方も
ネクタイピンにしますか?」
加工して残った方を
どうするのかと確認を杏寿郎に
みくりが取って来て
「依頼してもいいだろうか?
確か、このフリーマーケットは
毎月開催されると聞いているが。
その片方のピアス、5つ同じ物を
並べて一つのネクタイピンにして
貰いたいのだが?」
「でも、それは構いませんけど。
お渡しするのが、1か月後に
なってしまいますよ?それでも
問題ないとの事でしたら…ですが」