第50章 ハルイロ お相手:煉獄先生 ※裏なし
和風ポイテイストで揺らぐ赤い
炎をイメージした スクエア型の
ピアスがあって
彼女さんへのプレゼントだろうか?
とその海老天頭の人の顔を
ぼんやりと見ながら考えていると
「いい色だな」
そう呟く様にして杏寿郎が漏らして
「赤…、お好きなんですね」
「なぜ、俺が赤が好きだとお分かりに?」
驚いた様な顔をして
海老天頭の人が尋ねて来たので
「え?でも…赤が
とてもお好きそうに見えますよ?」
「だが、今日は服装にも、小物にも
赤は一切含まれていないのに?」
「でも、赤いピアスを見て
いい色だと、言ってましたけど?」
みくりの言葉に杏寿郎がハッとして
「これと同じデザインのは他には?」
「赤いって事ですか?えっと」
売れたら並べようかと思って居た中には
丸い形と三角のなら同じような
色とデザインのがあるにはあるが
「同じような感じでしたら、
丸い形のと、三角のと…ありますけど」
そう言いながらみくりが
杏寿郎の前にそれを並べるとじっと
それを熱心に眺めていて
「確かに、こちらも
いい色ではあるが。
時にお尋ねしたくありますが。
こちらを、そっちにある様な
ネクタイピンに加工して貰う事は
出来るだろうか?」
「出来るには出来ますが…、
少々お時間を頂戴してもいいですか?」
「ああ。構わない。
俺は今、あそこで木工細工を作っている
休憩中だからな、終わったら受け取りに
来させて頂きたい」
「あ、はい。畏まりました」
「それでは、後ほど」
そう言って小さく頭を下げて
その海老天頭の人は去って行ったしまったが
てっきり… 彼女さんへのプレゼントを
選んでいるのかと思って居たら
ネクタイピンにして欲しい…と
「すいませんっ、これ、下さい」
「私はこっちのを、下さい」
そう声が降って来て顔を上げると
さっきの海老天頭の人が見ていた
赤いピアスと同じ色味の違う
形のピアスをまだ10代だろう
若い女の子が買って行って
「あ、ねぇ、あそこ見ようよ~」
「あ、あれ、可愛いね。蝶々のやつ」
そう言って別の女の子の二人組が
通りからこっちへと足を向けて来て
数人の人だかりができると
「あ、待って、ちょっと見て来る」
「こっちと、こっちどっちがいいかな。
イチゴも可愛いし、オレンジとキウイも
可愛いっ」