第49章 3度目のホワイトデーは 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「やってみた事…あるか?」
「いや、ないけど。あるの?」
「ある、してみるか?丁度
さくらんぼもあるしな」
「えっ、でも…関係なくない?
実際にさくらんぼのへたを結ぶ
為に必要な動きがキスに必要かって
言われたら、別じゃないの?」
そこまで言って
杏寿郎の顔を見て
「ああ、もう、すればいいんでしょ?」
「口、開けるといい」
あーんと口を開けると
みくりの口の中に
杏寿郎の指でさくらんぼを入れて来て
もぐもぐと動かして
嫌そうな顔をしていたから
「そう言えば、君は
さくらんぼがあまり好きじゃなかったな」
じとっとした嫌そうな顔をしていたので
「ヘタだけ、くれたら良かったんだよ!」
わざわざヘタを指に持ち替えて
不満を言って来るから
「すまん」と謝った
ポイっとヘタを自分の口に入れると
部屋の天井に視線を向けながら
もぐもぐと口を動かして
「出来そうか?」
「…んーっ、んん」
何かを話そうとするも
口の中にそれがあっては話せないのだが
自分の口元に手を持って行って
口の中からそれを取り出した
「理屈上は…、何となく
イメージはついてたけど、
こう言う事じゃないの?」
そう言って 結べたヘタを
自分の手の平に乗せて見せて来る
「宝の持ち腐れか?
折角の才能を眠らせておくのは
勿体ないんじゃないのか?」
キスの才能…
つまりは…キス…私の方から
しなさいって意味で
「どうだ?みくり。
いちごの味のキス…しないか?
さくらんぼは嫌いでも、
いちごは君は好きだろう?」
そう言いながら 杏寿郎が
皿の中からいちごを手に取って
いちごにチュっとキスをすると
こっちを挑発する様なそんな
視線で見て来るから
「いちごの味のキスなら…、
あそこでした気がするんだけど?」
「プリンの方が良かったか?」
「ふふ、もう、杏寿郎ったら。
どっちでもいいよ、プリンでも
いちごでも。杏寿郎なら」
そう言って杏寿郎の方へ
身体を向き直ると
その首に腕を回して
自分から口付ける
さっき さくらんぼのヘタを結んだから
その要領の動きで自分の舌を
彼の舌に絡ませると
「…ふっ、…ん、みくり」
杏寿郎の唇の間から
熱い吐息が漏れて
グッと身体に腕を回されて
引き寄せられるとキスの
主導権を奪われてしまう