第49章 3度目のホワイトデーは 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そんな事を考えながら
多すぎる位のプリンを2人で突いて
「さっきの話なんだがな…」
そう杏寿郎が突然に話を始めて
「さっきの?って何の話?」
「俺が…君を選んだと言うやつの事だが。
あれは少々、語弊があるんじゃないかと
そう思ったんだ…」
杏寿郎のその口調は
どうにもいつもの様な
杏寿郎らしい歯切れの良さがなくて
「俺は…、こんな性格だからな。
自分の感情には嘘はつけない性分だが。
だからと言って、自分を
取り繕うのに自分を偽る事も出来ない」
そう言ってふとその
表情を彼が曇らせて
「表裏がないし、いいと思うけど?」
「どうにも、見た目の印象の
イメージばかりが、
先に立ってしまうらしい。
君は俺を、俺以上にも俺以下にも
見ようともしないし、
そう求めもしないだろう?」
「杏寿郎は、杏寿郎でしょ?」
みくりがそう言うと
ふっと杏寿郎が口の端を曲げて
「だから、俺は…君を選んだんだろうな。
俺を俺として見てくれるし、俺に
自分の幻想も理想も求めない」
そっとみくりが
杏寿郎の頭に自分の手を
伸ばして来て ポンポンと
小さな子の頭を撫でる様にして撫でると
「嫌…だったの?」
「俺がさっきの
浴衣の話みたいな話をすると。
俺がそんな話をするのが、
意外だとイメージ合わないと
言われる事が多くてな」
「あのね?さっきのは…、
そう言う意味じゃなくて…ッ。
杏寿郎はモテるからさ、
って意味で言っただけ…なんだよ?」
今度は逆に杏寿郎が
みくりの頭に手を乗せて来て
ポンポンと撫でられてしまった
「だから、俺がモテているとするなら。
それは俺自身じゃなくて、
俺…と言う、イメージだってだけの話だ」
「じゃあさ。モテなくてもいい?」
「それは、今は君にモテてる…
と言う意味でなら、それでいいが」
杏寿郎のその言葉に
みくりがふふふと笑った
「うんうん、合ってるよ。
モテてる、モテてる。
私に、モテモテだから。それでいい?」
「みくり。
こっちに来てくれないか?
俺の膝に座るといい」
胡坐をかいていた自分の膝を
杏寿郎が自分で叩いて
みくりにそこに座る様に
そう促して来て
テーブルを挟んで向こう側に居た
杏寿郎の方へ移動すると
その胡坐をかいた足の上に
自分のお尻を付けて座った