第49章 3度目のホワイトデーは 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「かなり余裕が…ない感じに、
なってしまいそうで、怖いんだがな」
余裕がない感じって…その
速攻って事…なのか…な?
どれぐらいの余裕ならあるのかとか
聞きたいけど 自分の為に
聞いて置きたいけどッ
でも 聞きたくないッ… なんか怖いッ
それを 杏寿郎に聞くに聞けないままで
今夜の宿泊先のホテルに着いた
海を望む高台に立って居て
ハイクラスの有名老舗ホテルだ
いや このクラスのホテルに
泊った事が無い訳じゃないけど
県民なら皆名前は知ってる
外観も知ってるような有名な所だし
ハイクラスだからサービスも安心だしなぁ
ホテルの入口のロータリーで
ホテルマンに名前を伝えると
荷物を降ろしてくれて
車のキーを預ける
杏寿郎がチェックインしてくれている間に
ラウンジでおしぼりと金粉の入った
昆布茶を頂いた
昆布茶はお土産コーナーでも
販売してるらしく 後で買おうと思った
おしぼりもいい香りがする
香り…付けてあるんだぁ~と
感心してしまっていて
流石ハイクラスだなぁっと
ほっこりしながら豪華な
天井の和風のシャンデリアと
ズドーンと大きな窓で絵画の様に
切り取られている海を眺めている内に
チェックインを済ませて
杏寿郎が戻って来て
部屋に案内される準備を待っている間
杏寿郎もおしぼりと昆布茶のサービスを受けて
同じ様なリアクションをしていたから
「おしぼりに匂い付いてるでしょ?
びっくりした?」
「ああ。驚いたが…いいな。
細やかな心遣いが見えて」
そうしてる内に仲居さんが
部屋に案内してくれた
色んなグレードの部屋があるけど
このホテルの中でも上の方の
ハイグレードの部屋で
広めの和洋室で
専用の露天風呂の付くタイプだった
ここのホテルで この客室の広さで
おまけに今日は土曜日だし
その上に 部屋に温泉の露天風呂付き…
客室に着くと 避難経路の
説明や簡単な温泉を始めとする
このホテルの館内の案内をされて
夕食の開始時刻を確認されて
「7時から…で、お願いしたいのだが」
『はい、畏まりました。
ご夕食まで、
ごゆっくりとご寛ぎ下さいませ』
きっちりとした接客態度と
丁寧な説明と無駄のない所作で
お茶とお茶請けをご給仕して頂いて
仲居さんが部屋を後にするのを
杏寿郎が呼び止めて
ティッシュに包んだ心付を手渡した